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2021 年度 実施状況報告書

口腔粘膜由来幹細胞様ケラチノサイトを用いた新規粘膜再生医療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 19K10275
研究機関日本歯科大学

研究代表者

宮坂 孝弘  日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (30190755)

研究分担者 宮澤 敦子  日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (00706997)
古賀 陽子  東京女子医科大学, 医学部, 教授 (10392408)
近津 大地  東京医科大学, 医学部, 主任教授 (30343122)
八重垣 健  日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (40166468) [辞退]
里見 貴史  日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (70276921)
松野 智宣  日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (80199827)
米山 勇哉  日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (10759799)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード幹細胞マーカー / 幹細胞様細胞 / 多分化能 / 口腔粘膜ケラチノサイト / 細胞シート
研究実績の概要

当該年度はヒト口腔粘膜より単離した口腔粘膜ケラチノサイト由来ePUKs(epithelial Pop Up Keratinocytes)の生物学的評価を行った。具体的には日本歯科大学附属病院口腔外科より供与された口腔粘膜組織から初代ヒト口腔粘膜ケラチノサイトを従来の方法(In Vitro Cell Dev Biol Anim,54(6):413-422,2018)によって単離した。コントロール群は通常培養で培養した初代ヒト口腔粘膜ケラチノサイト単層培養細胞とした。そして、ePUKsの生物学的評価は、ePUKs産生数、ePUKsサイズおよびePUKs生存率を測定することで評価した。しかしコロナ禍の影響で当初予定をしていた検体数を獲得することができなかったため、再現性を得る事が難しい結果となった。その他に初代ヒト口腔粘膜ケラチノサイト単層培養細胞のコンフルエント率とePUKsの産生量の相関を評価した。その結果、コンフルエント率が上昇するにつれてePUKsの産生量とその生存率は増加する傾向にあることがわかった。しかしある一定の期間を過ぎるとePUKsの産生量は減少し、その生存率は低下した。加えて、当該年度はePUKsの免疫蛍光化学染色を幹細胞マーカーであるp63,sox2,増殖マーカーであるki67で行った。その結果、ePUKsはコントロール群と比較して幹細胞マーカーと増殖マーカーでともに高い発現率を示した。また当初は当該年度の予定にはなかったePUKs培養液中の成長因子(basic fibroblast growth factor, vascular endothelial growth factor, Epidermal Growth Factor)を測定したところ、コントロール群と比較して有意に高い値を示した。また、次年度に予定している動物実験に先立って、口腔粘膜細胞シートの作製にも着手を始めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

当該年度はコロナ禍の影響を受け、当初予定していた検体数を十分に獲得することができなかった。そのため、ePUKsの生物学的評価では良好な再現性を得る事ができなかった。しかし、昨年度の結果と当該年度の結果をまとめ合わせ、次年度の実験につながるデータを得ることができた。結果、当該年度は限られた検体でできる評価を考え、当初は予定していなかった成長因子の測定を行うことにしたが、この結果もePUKsの評価をする上で有用なデータとなった。

今後の研究の推進方策

次年度以降も新型コロナウイルスの影響は少なからず残るとは思われるが、当該年度は限られた検体から追加のデータを獲得する事ができた。ePUKsの生物学的評価では数少ない検体数の中、昨年度と当該年度のデータを組み合わせてある程度の傾向を掴むことができた。次年度は、これらのデータの再現性を取るとともに、動物実験に取り組む予定である。それに先立って、動物実験で用いる口腔粘膜細胞シートの作製を完成させる必要がある。口腔粘膜細胞シートの作製は当該年度にすでに着手し始めているため、次年度はスムーズに研究が進んでいくと考えている。それに加えて作製された口腔粘膜細胞シートの評価を免疫蛍光化学染色を用いて行う。使用するマーカーは当該年度ePUKsの評価で用いたp63,sox2,Ki67に加えて,integrin6,Lgr5を用いる。

次年度使用額が生じた理由

当該年度は新型コロナウイルスの影響もあり当初の予定の動物実験まで行うことができなかったため動物の購入や動物実験で使用する外科器具、薬品の購入などは行わなかった。また学会もweb開催になったため、当初の使用予定額が大幅に次年度に持ち越されることになった。次年度は当初の予定よりもスムーズに、また複数回繰り返しで研究が遂行できるように計画しているので、消耗品などの使用頻度が増えると思われる。また、当該年度の未使用分は当初の予定通りの備品を購入する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 口腔粘膜由来幹細胞様ケラチノサイトを用いた新規粘膜再生医療戦略2021

    • 著者名/発表者名
      宮澤敦子、宮坂孝弘、小林真左子、米山勇哉、山口友輔、稲田諒、小栁昌央、宮坂彩子、里見貴史
    • 学会等名
      第66回公益社団法人日本口腔外科学会総会・学術大会

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公開日: 2022-12-28  

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