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2023 年度 実施状況報告書

口腔粘膜における粘膜類天疱瘡の炎症慢性化機構の検討

研究課題

研究課題/領域番号 19K10278
研究機関福岡歯科大学

研究代表者

古村 南夫  福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (10315070)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
キーワード自己免疫水疱症 / バイオマーカー
研究実績の概要

当初、miRNAマイクロアレイにより類天疱瘡や難治性口内炎を比較解析し、慢性炎症の病態解明を目指して本研究を計画していたが、長引くコロナ禍の影響で遂行が困難な状況となった。代替策として、天疱瘡の慢性炎症の病態を含めて、とくに細胞接着や分化との関連について、3次元ケラチノサイト培養モデルの解析結果を分析し検討した。
天疱瘡はデスモゾームに対する自己抗体を特徴とする一群の慢性炎症性疾患である。デスモグレインに対する自己抗体が立体障害を起こし、細胞間接着を喪失させ上皮内水疱を来す古典的発症機序が知られていた。しかし近年、単なる立体障害から、細胞代謝やシグナル伝達の改変、細胞接着に影響を及ぼすデスモソームの構造変化があることへ、本疾患の病態解析がシフトしている。加えてプロテオミクス研究により、細胞接着と生存を制御する構造・代謝タンパク質に対する多数の自己抗体の存在が患者血清で明らかにされ、デスモソームを変化させ、抗デスモグレイン自己抗体を相乗的に補完し、更にミトコンドリアの生理機能を変化させて、天疱瘡での病原的な役割を発揮すると推測されている。
本研究では、ゲノム編集でデスモグレイン3をノックアウトした3次元ケラチノサイト培養モデル(天疱瘡モデル)を構築した。次世代シーケンサーによるシングルセルRNAシークエンシングによる包括的RNAトランスクリプトーム解析にて、細胞間接着を阻害するシグナルへの影響や、慢性炎症の病態との関連について検討を加えた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

天疱瘡モデルを構築し次世代シーケンサーによるシングルセルRNAシークエンシングによる包括的RNAトランスクリプトーム解析にて、細胞間接着を阻害するシグナルへの影響や、慢性炎症の病態との関連について検討を始めている。

今後の研究の推進方策

本学基礎医歯学部門で3次元細胞培養モデルを用いた細胞接着因子の発現や分布の変化について解析が進んでおり、その結果と比較検討しながら、細胞間接着を阻害するシグナルへの影響や、慢性炎症の病態との関連について解析を進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

今後、データ解析に若干の時間を要するが、アウトソーシング解析費用などに充てる予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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