| 研究課題/領域番号 |
19K10282
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| 研究機関 | 東京医科歯科大学 |
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研究代表者 |
儀武 啓幸 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (40376752)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 開口障害 / 顎関節症 / 開口訓練 / 関節円板 |
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| 研究実績の概要 |
開口訓練に用いる開口訓練器の実用化と上市化以降にも臨床応用を行う過程でいくつかの問題点が明らかとなったことから、現在でもその改善作業が行われている。しかしながら、コロナ禍において研究活動の制限が生じていること、開発関係者の打ち合わせが頻繁にできないなどの事情もあり、進行ははかばかしくないのが実情である。
一方で、開口訓練機の使用実績を拡大することとした結果、顎関節症のみならず、顎関節強直症、筋突起過長症や、咀嚼筋腱・腱膜過形成症による開口障害や術後のリハビリテーションなど、その適応症例を拡大してそれぞれに対する治療効果の確認を行うことができた。しかし、コロナ禍における様々な生活制限から、新規患者における研究に制限が生じる状況となった。また、緊急事態宣言による勤務状態の変化により研究体制の制限を受けたことから後ろ向き研究においても重大な齟齬が生じてしまうこととなった。
その様な状況であったが、開口訓練器を使用した開口訓練の有効性を、第33回日本顎関節学会総会・学術大会におけるシンポジウムにて報告することが出来た。
以上の様に、本学で開発し実用化した下顎頭の前方滑走を誘導する開口訓練を可能とする開口訓練器は、多くの症例で顕著な効果を確認でき、その有効性が示された。これにより規格化された開口訓練を安定して大規模に実施することが可能となったことから、今後の顎関節症に対する開口訓練の効果と顎関節に及ぼす影響の評価についての目処を付けることができた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
個々の症例に関する治療上必要な画像検査の結果をもとに、治療の一環としての経過観察を行うことで得ることができた所見の蓄積を進めている。
開口訓練器の使用に関しては、顎関節症の関節円板障害を中心に、変形性顎関節症、顎関節強直症、咀嚼筋腱・腱膜過形成症に適応を拡大して実施しており、咀嚼筋腱・腱膜過形成症患者の手術前、手術後のデータ収集を進めている。
積極的な下顎頭の前方滑走誘導を行う開口訓練による、咀嚼筋腱・腱膜過形成症患者の開口障害の改善についての分析を進めており、改善の程度、それまでに要する治療期間についての知見が得られつつある。しかし、これらの患者の関節円板の治療による変化については今後の課題として残っており、次年度以降に解析を進めていく予定である。
同時に、下顎頭の前方滑走運動を誘導しない、従来の開口訓練による治療経過のデータ取集も並行して行なっており、特に咀嚼筋腱・腱膜過形成症患者の保存的治療における下顎頭の前方滑走誘導を行う開口訓練との治療効果の相違についての解析が進んでいる。
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| 今後の研究の推進方策 |
上述の事情から、過去の治療例を対象とした後ろ向き研究によるデータ収集と分析に比重を置いた研究を進めることとする。
各疾患において、下顎頭の前方滑走を誘導する開口訓練と従来の開口訓練との治療効果の比較検討を進めるとともに、関節円板に生じる変化についての検索を行う。
社会状況を鑑みながら前向き研究についても進める。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
データ解析に必要な症例が確保出来ていないため、引き続き症例の収集が必要である。
咀嚼筋腱・腱膜過形成症の保存的治療群の開口訓練前後の顎関節、関節円板の評価、手術症例の術後リハビリテーションとしての開口訓練による関節円板への影響の分析を行う。
顎関節症、関節円板障害に対して行った開口訓練による顎関節の変化の分析を進める。
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