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2020 年度 実施状況報告書

口腔癌に対する高精度高線量率組織内照射の規格化

研究課題

研究課題/領域番号 19K10289
研究機関広島大学

研究代表者

柿本 直也  広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (50324794)

研究分担者 Verdonschot RG  広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (30756094) [辞退]
中元 崇  広島大学, 医系科学研究科(歯), 准教授 (60403630)
小西 勝  広島大学, 病院(歯), 講師 (60537447)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード口腔癌 / 高線量率組織内照射 / 高精度 / 規格化
研究実績の概要

広島大学病院では、比較的進行期の口腔癌に対してフレキシブルチューブアプリケーターを用いた高線量率組織内照射を採用しており、その際にはCT画像を用いた画像誘導小線源治療(Image guided Brachytherapy; IGBT)を行っている。高線量率組織内照射の治療開始時および治療開始後3日目に治療計画用CT画像を撮影し、Adaptive Radiotherapyを行っている。それぞれのCT画像を用いて、IGBTのための線量分布を作成することで治療の高精度化に努めている。この2回の治療計画用CT画像を定量的に解析することで、高線量率組織内照射に用いているフレキシブルチューブアプリケーターの位置の偏位について定量解析が可能であると考えられる。定量的解析結果を数値化することで、口腔癌に対する高線量率組織内照射の規格化が可能となる。
これまで広島大学病院において口腔癌に対する高線量率組織内照射を施行した5名の患者の2回のCT画像を用いて解析した。骨学的な解剖学的同一平面で比較した場合は、フレキシブルチューブアプリケーターの位置は0㎜から最大5.2㎜の偏位が確認された。フレキシブルチューブアプリケーターのある基準点(アプリケーターにはボタンが連結されているのでボタンの位置などを基準とする)を中心に比較した際には0.4㎜から最大3.8㎜の偏位が確認された。
ただし、これは2次元計測の範囲であり、3次元的な位置関係については何を基準に比較すべきが指針がない。そこで、CT画像上の腫瘍(GTV)の中心を「重心」を用いることで基準とし、2回のCT画像を重ね合わせることを行った。実際に、GTVの重心を求めることも可能で、重ね合わせることも可能であった。今後、本方法を用いて、アプリケーターの偏位を定量化する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

これまで、口腔癌に対する高線量率組織内照射でAdoptive Radiotherapy 治療計画を行う際に、臨床的にフレキシブルチューブアプリケーターの偏位を自覚していたが、その定量的数値に関しては不明であった。今回、2回の治療計画用CT画像を用いて二次元的にフレキシブルチューブアプリケーターの位置計測を行うことで、アプリケーターの位置の偏位について認識できた。しかしながら、フレキシブルチューブアプリケーターは平面的な位置のみならず上下的な位置も偏位する可能性が十分に考えられるため、2次元計測での評価の限界も同時に知ることができた。今後、フレキシブルチューブアプリケーターやGTV(Gloss Tumor Volume;肉眼的腫瘍体積)の3次元的重ね合わせ(Fusion)方法を「重心」を基準点として確立することで、フレキシブルチューブアプリケーターの位置の3次元的定量化の可能性があると考えられる。

今後の研究の推進方策

これまで広島大学病院にて行った口腔癌に対する高線量率組織内照射症例5例の2次元的画像解析を行うことで、本治療法の不安定性を認識することができた。広島大学病院では、1週間の治療中に1度のAdoptive Radiotherapy の治療計画を行うことでその不安定性を最小限に務め、高精度化につなげている。ただし、2次元画像計測の問題点、限界も明らかになったことで、次年度は3次元的画像計測法の基準点も考案したことで、定量化、規格化に努めていきたい。

次年度使用額が生じた理由

コロナウイルス感染症の影響で国内および国際学会への参加が出来なかった。そのことにより情報収集量が少なくなり、研究の進行もやや遅れている。
今年度、オンラインも含めた学会参加により情報収集を行い、遅れを取り戻す事を試みるが、状況次第では研究計画の延長も視野に入れている。

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公開日: 2021-12-27  

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