研究課題
口腔癌に対する高線量率組織内照射において、アプリケーター位置の数値化および線量分布の数値化を行い、治療を規格化し、それらを評価することを目的とした。高線量率組織内照射を行った7名、53本のフレキシブルチューブ(1名あたり最小5本、最大11本、平均7.6本)について検討した。処方線量はCT画像を用いて計算し、GTV=CTV=PTV=100%の処方線量とし、処方線量の200%を越える体積であるV200%はGTVの20%以下の体積となるように線量分布図を作成した。治療開始時と治療開始後3日目にCT画像を撮影し、フレキシブルチューブの位置変位量を計測した。解剖学的指標を基準とした断面比較によるフレキシブルチューブの位置変位量は1.8±1.3㎜、フレキシブルチューブを基準とした断面比較によるフレキシブルチューブの変位量は2.1±1.9㎜であった。これらの変位量に統計学的有意差は認められなかった。本研究結果から、口腔癌に対する高線量率組織内照射中に、フレキシブルチューブは約2㎜程度変位することが示された。これらの変位量は線量に換算すると6~8%の誤差を生じるため、この変化量を知ることで治療計画時にこれらの誤差を勘案した線量分布図の作成が必要であることが示唆された。または、フレキシブルチューブの位置が変化するために、適切な線量を処方するためには、治療中に線量分布図を再作成する適応組織内照射(Adoptive interstitial brachytherapy)を行う必要があることが示唆された。
すべて 2022 2021
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Oral Radiology
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