研究課題
本研究では,チタン製インプラント体が骨とオッセオインテグレーション(OI)を獲得するメカニズムを明らかにすることを目的に,チタン上で培養したMC3T3-E1細胞で,発現が特異的に変動するmiRNAを検索した。すなわち、スパッタ法を用いてガラスディッシュ表面にチタン,金,ステンレスをコーティングし,表面粗さや表面形状がほぼ同一の試料を作製した。MC3T3-E1細胞を4種類の材質の異なるディッシュ上で6時間培養後,miRNA発現プロファイルをマイクロアレイ法により比較検討した。さらに、MC3T3-E1細胞の骨分化過程における候補miRNAの発現を検討した。その結果、チタン上で培養したMC3T3-E1細胞において,他の材質と比較したところ,2種類のmiRNAの発現が1.5倍以上亢進し,14種類のmiRNAの発現が1.5倍以上低下していた。発現上昇したmiRNAのうち,miR-155-5pは骨分化に伴い発現が亢進していた。また,チタンは骨分化マーカーであるRunx2,Col1a1,ALP,Bglapの発現を増強したため,MC3T3-E1細胞にmiR-155-5pを過剰発現させたところ,Runx2及びCol1a1の発現を誘導した。miR-155-5pは,骨分化マーカーの誘導を介してチタン製インプラント体のオッセオインテグレーションの獲得に関与する可能性が示唆された。
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