方法①脂肪幹細胞(ASC)から骨芽細胞の誘導:6-8週齢SD系♀(XX)ラットの鼠蹊部、後腹壁脂肪組織をコラーゲナーゼ処理した後に遠心分離を行いASCを採取。採取したASCをサプリメント(0.1μMデキサメタゾン、50μgアスコルビン酸、10mMβグリセロフォスフェイト)を添加した骨分化誘導培地で3週間培養して骨芽細胞(培養骨)を誘導した。②①で採取したASCあるいはサプリメントで誘導した培養骨をβTCP含有のゼラチンスポンジ(担体)に播種し、ラット頭蓋骨欠損部位に移植して骨再生治療を行った。 結果①ASCにサプリメントを添加して培養を行うと、1週間後にアルカリフォスファターゼ活性の上昇がみられ、3週間後には細胞にノジュールの形成がみられ、アリザリンレッド染色で陽性を示す、骨芽細胞の誘導が確認された。②ASCおよび培養骨は担体表面に接着して生着することを確認した。③未分化のASCあるいは誘導した培養骨を担体に播種し、ラット頭蓋骨欠損部に移植した。移植8週間後に頭蓋骨を摘出しエックス線解析したところ、対象(担体のみ移植)に比べて、骨欠損部の縮小化がみられ、特に未分化ASCを移植した群において、その傾向が顕著であった。
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