研究課題/領域番号 |
19K10303
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮下 仁 東北大学, 大学病院, 講師 (70372323)
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研究分担者 |
森 士朗 東北大学, 大学病院, 講師 (80230069)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | リンパ節郭清 / リンパ節腫脹マウス / リンパ節転移モデルマウス / 肺微小転移 / 休眠細胞活性化 |
研究実績の概要 |
本研究では、我々の研究グループが独自に樹立したリンパ節腫脹マウスを用いた肺微小転移休眠細胞活性化モデルマウスを用いて、 転移リンパ節(LN)郭清による肺転活性化の機序に関わる遺伝子を肺転移活性化前後の遺伝子発現の変動から明らかにし、それぞれの変動遺伝子群の上流遺伝子発現の制御を可能にする手法を見出し、肺転移予防法の開発を目指す。現在、研究グループは、LN腫脹を自然発症し、肺微小転移休眠細胞活性化モデルマウスとして利用可能なリコンビナント近交系マウス9系統維持している。2019年度においては、これらのマウスの基礎疾患や腫瘍細胞の生着やLN転移や肺転移の状態を確認し、MXH10/Mo/lprマウスが最も適していることが明らかとなった。MXH10/Mo/lprマウス以外では、生体発光画像解析装置を用いて生体内の腫瘍細胞の動態を解析するために使用したルシフェラーゼ発現腫瘍細胞 が、移植免疫学的には組織適合抗原が一致しているにもかかわらず、腫瘍細胞の生着や転移能に問題があったが、MXH10/Mo/lprマウスにおいては、ルシフェラーゼ発現腫瘍細胞の生着や転移能に実験の障害となるような問題は確認できなかった。また、2019年度には、転移LN切除により肺転移の活性化を誘導したマウスと活性化前のコントロールマウスからの血液標本採取を行ったが、 2020年度には、採取した標本を用いて血清質量分析(LC-MS/MS)を行い、肺微小転移休眠細胞活性化モデルマウスとそのコントロールからプロテオームデータを取得した。しかし、得られた膨大なデータから肺微小転移休眠細胞活性化モデルマウスとそのコントロールの間で判別能が高いペプチドを絞り込むまでには至っておらず、この実験系の他の手法による解析データを指標として、肺微小転移休眠細胞活性化に関連する分子の同定を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度までに、採取した標本を用いて血清質量分析(LC-MS/MS)を行い、肺微小転移休眠細胞活性化モデルマウスとそのコントロールからプロテオームデータを取得できたことは大きな進展である。現在、得られた膨大なデータから肺微小転移休眠細胞活性化モデルマウスとそのコントロールの間で判別能が高いペプチドを絞り込むまでには至ってはいない。しかし、この状況は、この解析手法の特性からある程度予想された結果であることから、本研究で使用したマウスから採取したリンパ節や転移先臓器での遺伝子発現を解析し、この解析データと指標として、本研究で得られたプロテオームデータの解析を行い肺微小転移休眠細胞活性化に関連する分子の同定を検討している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究においては、肺微小転移休眠細胞活性化モデルマウスの血清やリンパ節、あるいは転移病巣組織から得られたプロテオームデータの遺伝子発現の変動を的確に捕捉できるかどうかが重要なポイントとなる。従って、今後、本研究で使用した疾患モデルマウスのリンパ節や肺での遺伝子の変動や、本研究で使用したマウスから採取したリンパ節や転移先臓器での遺伝子発現を解析し、本研究で得られたプロテオームデータから肺微小転移休眠細胞活性化と関連性が低いペプチドを除き、且つ関連性が高いと考えられるペプチドを抽出し、肺転活性化の機序を明らかにし、それぞれの変動遺伝子群の上流遺伝子発現の制御を可能にする手法を見出し、肺転移予防法の開発を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額は,今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額である.令和3年度請求額とあわせ,令和3年度の研究遂行に使用する予定である.
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