研究課題/領域番号 |
19K10314
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
加美 由紀子 九州大学, 歯学研究院, 助教 (60552023)
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研究分担者 |
筑井 徹 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (10295090)
栂尾 理 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10452749)
大賀 正浩 九州大学, 大学病院, 診療放射線技師 (60380474)
吉浦 一紀 九州大学, 歯学研究院, 教授 (20210643)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | MRI / compressed sensing / head and neck |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、近年登場したCompressed Sensing(CS)を使用してdynamic contrast enhanced MRI(DCE-MRI)の大幅な高速化により造影剤到達時の信号強度変化を詳細に捉えることで、より正確なBFのパラメーターを算出することである。 そこで初年度にはまずCSの画像評価をおこない、頭頚部領域において高速撮像したCS画像が従来の画像と比較して十分な画質を有するか否かを検討した。2018 年8 月~2019 年4 月に九州大学病院にて頭頚部造影MRI 検査をおこない、日常臨床に用いられているマルチスライスSE 法により得られるT1 強調画像(MS-SE) およびCS を併用した3D T1TFE 法により得られる画像(CS-3D-T1TFE )を撮像した患者30 名を対象とし(基準に満たなかった10名は除外)、2名の歯科放射線科医で画像評価をおこなったところ、CS-3D-T1TFE 画像は、MS-SE 画像と同等あるいは高いSNR を保ち、病変の検出やイメージクオリティに関して遜色ない画質であることが確認された。 本年度は、この結果を論文化して国際雑誌に投稿し、受理された(Acta Radiologica Open 2020, https://doi.org/10.1177/2058460120956644)。 さらに、CSを使用して取得した3Dデータから再構成した2D画像が、従来のシーケンスで取得された2D画像やCTで取得した画像と比較して十分な信頼性を有するか否かを検討するため、2019年2月~2021年1月に九州大学病院にて下顎骨悪性腫瘍に対して頭頚部MRI検査をおこなった18症例の後ろ向きデータを検討した。また、病理が得られた12症例については、病理所見との比較検討をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CSの利用により高速化したDCE-MRI画像から様々なパラメーター算出を行う準備として、CS画像が頭頚部領域において十分に信頼性のおける画像であることを証明することができたため、現在、この手法により3Dデータから再構成した2D画像の信頼性を評価しており、良好な結果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
現在検討中である、CSを使用して取得した3Dデータから再構成した2D画像が、従来のシーケンスで取得された2D画像やCTで取得した画像と比較して十分な信頼性を有するか否かの検証結果を、日本歯科放射線学会第61回学術大会・第17回定例総会で発表する予定である。これに症例を追加し、結果を論文化する予定である。 また、これと並行して、CSを利用したDCE-MRIデータの高速化およびデータ取得、解析法の確立を行う。さらに、得られた症例において、DCE-MRIで病変内への空間的な濃染パターンを観察するとともに、造影剤到達時間と到達直後の信号強度変化を計測する。また、理論式を用いて、信号強度を造影剤濃度に変換し、到達直後の造影剤濃度変化を算出する。最終的に、得られたパラメーターと病理診断の関連を検討し、総合的な評価を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナにより、学会が中止や延期、あるいはオンラインのみとなったため、旅費が発生しなかった。また、ボランティア撮像は行わなかった。 今後、学会の現地開催が再開されれば、旅費を使用して学会に参加する予定である。
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