研究分担者 |
宮田 昌明 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (00347113)
湯淺 敏典 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (00535643)
大野 幸 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (00535693)
四道 瑠美 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 医員 (00825391)
山下 薫 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (50762613)
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研究実績の概要 |
全身麻酔下に歯科・口腔外科手術が予定された患者で、心血管リスク因子により心エコー図検査が実施された患者95例を対象とした。男性57例、女性38例で年齢67.9±15.4歳、BMI 22.7±3.2であった。心エコー図検査のパラメータ群(男性vs女性)は、左室駆出率(67.9±7.2 vs 70.7±6.8 %)、左室心筋重量係数(105.3±24.9 vs 94.0±21.2)、僧帽弁輪移動速度(e';中隔と側壁の平均値;7.5±2.0 vs 7.8±2.0 cm/s)、左室充満圧を反映する左室側壁のE/e'(7.0±2.2 vs 7.5±2.7)であった。
心拍変動解析のパラメータ群との相関では、e'はlog TP(P=0.0029, R=0.31)、log LF(P=0.0002, R=0.39)、log LF/HF(P=0.0065, R=0.28)と正の相関を示したが、log HFとは相関しなかった。左室充満圧を反映するE/e'は、log LF/HFと負の相関を示し(P=0.0158, R=-0.26)、log RMSSDと正の相関を示した(P=0.0073, R=0.28)。加速度脈波パラメータ群との相関では、e'はb/a(P=0.0244, R=-0.24)、AGI(P=0.0201, R=-0.24)と負の相関をみとめたが、c/a, d/aとは相関をみとめなかった。バイオマーカー(BNP、NT-proBNP、高感度心筋トロポニンT、高感度心筋トロポニンI)とe'およびE/e'との相関はみとめなかった。
左室拡張機能の低下を示すe'<8cm/sを予測するlog LF, log LF/HFのROC曲線のAUCはそれぞれ0.66、0.70であり、カットオフ値は4.2、0.43であった。e'<8cm/sを予測するAGIのROC曲線のAUCは0.67、カットオフ値は-0.37であった。重度の拡張障害を見分ける上で心拍変動解析が有用な可能性が示唆された。
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