研究課題/領域番号 |
19K10322
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
大桶 華子 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (90295907)
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研究分担者 |
中川 匡弘 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (60155687)
照光 真 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (60401767)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 感性フラクタル次元解析 / 歯科治療恐怖症 / 鎮静深度モニタ |
研究実績の概要 |
感性工学の分野では脳波からAnger、Joy、Sadness、Relaxの4種類の感性情報を定量評価することが可能な感性フラクタル次元解析(EFAM)という手法がある。本研究はこのEFAMを新たに歯科臨床で活用し、歯科患者の感性情報の定量化を行い、EFAMが歯科治療中の情動の変化をどの程度正確に定量評価できるのかを明らかにすることを目的とする。 令和元年度は予備実験の追試となるEFAMによる歯科診療の模擬体験時の感性情報解析データの収集を主に行った。歯科治療に対する恐怖心が強くない成人ボランティアを対象とし、不快刺激となる歯科診療の映像を提示した時の脳波データを集積し、感性フラクタル次元解析を行った。提示刺激は、1)タービン、2) 電気エンジン、3)レーザー、4)超音波スケーラーの4種類の器具を模型の口腔内に使用している映像を用いた。脳波は国際10-20法に従い電極を配置し計測した。まず国際情動写真集の画像を提示して「安静」「快」「不快」の3感性について基準となる計測を行い、閉眼し3感性の画像を想起した時の計測値をコントロールとした。その後1-4)をそれぞれ音声ありとなしで視聴させデータ取得を行った。脳波データのフラクタル次元解析により得られた不快の感性出力値をもとに刺激提示に伴う不快の感性識別率(3感性全体の出力の総和に対する不快の出力の割合)を求め、音声の有無で比較した。その結果、不快の感性識別率の平均値は1)と4)では「音声あり」の方が高く、2)と3)では「音声なし」で高かったが、例数が少ないため例数を重ねていた。 令和元年度の終り頃から令和三年度末までは新型コロナウィルス流行の影響により、被験者を募って行う本研究プロトコルは遂行が困難であり、かつ北海道と新潟との往来も困難な状況となっているため、研究自体が大幅に滞っている状態である。そのため期間延長を申請し、継続することとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の流行に伴い、ヒトを対象とし対面で実施する本研究のプロトコルの遂行が困難な状況であった。 加えて、実施施設における承認が得られない、被験者の募集にも応募がなく必要な人数を確保できない、共同研究を行う北海道と新潟での往来に制限がある、などの複数の要因により当初の研究計画より大幅な遅延が生じている。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍の収束と行動制限の解除に伴い、現在、被験者の募集を再開するところである。可能な限り早期に実験を再開予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により研究がやむなく中断された。したがって、研究計画の大幅な遅延が生じたため、予算の執行にも支障をきたした。現在、研究期間の延長を申請し承認されたため、当初の研究を再開することにより予算を使用する予定である。
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