研究課題/領域番号 |
19K10325
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
井村 英人 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (10513187)
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研究分担者 |
平田 あずみ 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (40263587)
鈴木 聡 愛知学院大学, 歯学部, 歯学部研究員 (30468996)
南 克浩 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (70346162)
吉田 磨弥 (大野磨弥) 愛知学院大学, 歯学部, 歯学部研究員 (70760718)
森 明弘 愛知学院大学, 歯学部, 歯学部研究員 (30804413)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 口蓋裂 / 離開 / 基底膜 / 発生 |
研究実績の概要 |
本研究は、胎生期に左右の口蓋突起が癒合し、口蓋が一旦形成された後に、癒合部が解離して口蓋裂が発症するという、従来の概念とは異なる口蓋裂の発症機構 を見出してきた。マウスでは、口蓋癒合後の離開の要因と考えられた口蓋突起癒合部の脆弱性についての解析にて、TCDD投与群と非投与群で細胞間接着因子である E-cadherin,α-catenin, β-cateninの局在に差はなかった。しかし、基底膜の消長、代謝について研究を行ったところ、TCDD投与群の口蓋離開部を含む口蓋粘 膜で上皮および基底膜の断裂を認めた。また、口蓋後方では、口蓋突起は離開しており、口蓋中央部で、口腔側では、口蓋の離断を認め、上皮の欠損および、同部に血球細胞も確認された。鼻腔側では上皮および間葉系組織の連続性を認めた。口蓋前方部では、癒合を認めたが、細胞の走行の異常を認めた。また、同部で TUNEL陽性細胞を認めた。 ヒトでは、日本人ならびにベトナム人において、口蓋離開後口蓋裂を発症すると考えられているMEOX2遺伝子を解析し、日本人では、MEOX2遺伝 子のexon3部におけるアミノ酸変異を確認し、ベトナム人女性では、男性と比較し、口蓋裂を発症するリスクが1.455倍高く、口蓋裂の発症に性差があることを報告した。 遺伝子研究として、de Grouchy症候群やWiskott-Aldrich症候群などの症候群と口蓋癒合後の関連について今後、遺伝子等について検索を行なっていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Covid19の感染拡大に伴い、実験室の使用の制限があったが、研究としては、進めているところである。
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今後の研究の推進方策 |
現象の解明のため、マウスにおける口蓋癒合後の離開現象に関する結果が進んでいるため、特に重点的に免疫染色を行い、抗ラミニン抗体・抗コラーゲンIV抗体・抗パールカン抗 体、抗MMP-2抗体、抗ヘパラナーゼポリクロナール抗体(マウスヘパラナーゼ28aa-45aa) をもちいて、上皮索基底膜断裂と口蓋形成のメカニズムについて免疫組 織化学的に検討する。 全ての切片は光学顕微鏡および一体型蛍光顕微鏡 (BZ-8000; Keyence, 大阪,日本)で観察する。 また、遺伝子解析ではベトナム人口唇口蓋裂患者のDNAを使用し、口蓋癒合後、離開する遺伝子の検索を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID19による感染拡大のため、実験室利用が困難となり、充分な実験時間の確保が難しかったことと、旅費として計上していた学会が全てオンラインとなったため次年度へ繰り越した。 本年度、論文作成費、消耗品費として、使用予定である。
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