研究課題
歯科心身症における中枢-末梢機能連関(Brain -Mouth interaction)について、本症の病態に関する従来の中枢か末梢かの2元論的な議論から脱却するために、「脳と口腔のあいだ」に潜む病態の検討を主に行った。・痛みとは異なる不快感を主訴とする口腔セネストパチーについて、特に片側優位な訴えの患者に注目し、80例の臨床データを解析した。片側優位な本症の約半数にMRI上で三叉神経と血管の接触((Neurovascular compression;NVC))が認められた。さらにNVCの有無によって2群間の比較検討を行ったところ、NVCのない群の方が機能障害や他の心身症的な症候が有意に多かった。本症にNVCの関与が示唆される一方、三叉神経と血管の接触のみでは本症の不快感がすべて説明がつくわけではなく、末梢のみならずより複雑な中枢性病態の関与が示唆された。今後、脳内の神経ネットワーク解析を行うための拡散テンソル画像解析への礎となるデータも得られた。・舌痛症の三環系抗うつ薬やドパミン部分作動薬による薬物療法の長期予後や高齢患者への至適用量の検討を行い、高齢者では低用量で安全かつまずまずの治療効果が得られることなどを明らかにした。・脳腫瘍を合併し、慢性の舌痛を呈する症例における原因検索と治療法選択の違いについて2報の症例報告を行った。1例は脳外科的手術、1例は通常の抗うつ薬療法と、症状は似ていながらも異なった治療選択が必要とされることを明らかにした。・舌痛症の性格特性とうつ病既往との関連性について検討し、神経症傾向が口腔内の痛みや他の病態に関与する要素であることを明らかにし、学際的なアプローチの必要性が示唆された。
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すべて 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 6件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (11件) (うち招待講演 2件) 備考 (2件)
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