歯科心身症の生物学的背景としての三叉神経と血管との接触については、これまで全く報告がなく、本研究で初めて明らかにされた。本症は三叉神経痛とは病態の機序が異なるが、末梢神経への機械的刺激や構造的変化が中枢に及ぼす影響も今後検討される必要性を示した。また実臨床においても、患者や家族に「気のせいではない」「すべてではないが何か神経系の原因があるかもしれない」とより科学的な説明が可能となり、「何の病気かわからない」「治療法もない」といった不安の軽減に役立つことも経験されている。また、BDJなど欧米の権威ある歯科雑誌にも研究成果を含んだletterを投稿し、毎年採用されている。
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