研究課題/領域番号 |
19K10335
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
鮎瀬 卓郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (20222705)
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研究分担者 |
喜安 千弥 長崎大学, 工学研究科, 教授 (20234388)
倉田 眞治 長崎大学, 病院(歯学系), 助教 (20325666)
讃岐 拓郎 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 教授 (40533881)
小林 透 長崎大学, 工学研究科, 教授 (90637399)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 上気道閉塞 / 鎮静法 / 呼吸閉塞 |
研究実績の概要 |
麻酔中に上気道閉塞が起こると閉塞の早期には、吸気と呼気のそれぞれの相で気流制限と呼ばれる特徴的な呼吸波形が出現することが分かっている。しかし、上気道閉塞時の吸気と呼気のそれぞれの呼吸相に出現する気流制限がどこの部位の閉塞を反映している現象なのか、あるいはどの程度の気流制限が危険なレベルなのかを判断できるモニターが存在しない。そこで、気流制限のデータと麻酔深度、麻酔科医の閉塞の重症度判断と処置内容を教師データとして組み合わせて深層学習させる事ができれば、閉塞を早期検出できる呼吸モニターを具備した麻酔管理ロボットを作ることを目的としている。 本研究では、鎮静中の呼吸機能を調節する様々な生理機能をデジタルデータ化して大規模に収集し、AI(人工知能)にて麻酔科医の重症度の判断と気道確保の処置を教師データとして深層学習(ディープラーニング)させることで新しいAI呼吸モニターを開発し、それを組み込んだ麻酔管理ロボットを開発する。吸気と呼気のそれぞれの気流制限とDUTY CYCLEと呼ばれる吸気相と呼気相の比率の変化を中心とした呼吸メカニクスに関するデータと麻酔深度のデータを検出して、麻酔科医による閉塞の重症度の判断と気道確保の処置を教師データとして深層学習させることで、AI機能を持った麻酔管理ロボットが医療者を補佐する事ができるようになる。以下の測定項目を連続記録できるように、16チャンネルのデータ記録装置を購入した。項目1:鼻マスクで得られる吸気時および呼気時の気流制限の波形データ、項目2:鼻カニューレによるカプノグラフによる炭酸ガスのデータ、項目3:加速度センサーを用いた額、側頭部、オトガイ、胸部、腹部の動きのデータ、項目4:経皮的動脈血酸素飽和度のデータ、項目5:BISモニターと筋電図活性による麻酔深度のデータ、項目6(教師データ):鎮静中での麻酔科医の上気道閉塞の判断や処置のデータ
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度では収集装置を用いて上気道閉塞徴候を検出しうる全ての生体情報のデジタルデータと麻酔科医の判断データを収集するためのデータ収集プラットフォームを完成させた。研究分担者の小林と喜安と協議を行い、教師データを経皮的酸素飽和度が90%以下になる低酸素血症の診断として、各呼吸波形の気流制限波形を画像データとして認識させて、解析を行うシステムを完成させた。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度では、前年度までに完成したAI呼吸モニターをプロトタイプの麻酔管理ロボットに組み込み、長崎大学病院の外例での静脈内鎮静法の症例をベースにして予備的なデータ収集を行う。 麻酔科医による上気道閉塞の早期判断と処置内容を教師データとして深層学習を行い、上気道閉塞徴候の検出・診断と気道確保の処置を、既に開発途中麻酔管理ロボットに行わせ、さらに被験者を対象にした実験において、動作確認、精度確認等の基礎データを収集する(研究代表者 鮎瀬)。
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次年度使用額が生じた理由 |
多チャネルのデータ記録装置(PowerLab16/35/Sp)を購入して、データ収集のシステムは完成したが、COVID-19の影響で、実際の患者および被験者でのデータ収集が大幅に遅れているため、データ収集に関連する経費が次年度送りになっている。 COVID-19の状況が改善され、データ収集が可能になった時点から、研究を再開して、鎮静薬剤、センサー類の消耗品、被験者への謝金の経費にあて、研究成果の発表を学会発表後に学術雑誌で行う。
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