• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

口腔顔面領域の感覚入力における亜酸化窒素吸入の効果と臨床的応用

研究課題

研究課題/領域番号 19K10341
研究機関九州歯科大学

研究代表者

原野 望  九州歯科大学, 歯学部, 講師 (50423976)

研究分担者 茂山 幸代  九州歯科大学, 歯学部, 助教 (10794480)
小野 堅太郎  九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40316154)
人見 涼露  日本大学, 歯学部, 助教 (70548924) [辞退]
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード吸入鎮静法 / 亜酸化窒素 / 口腔内感覚 / 触覚 / 味覚
研究実績の概要

行動調整法の1つである亜酸化窒素による吸入鎮静法は,意識を保ったまま精神的緊張や恐怖心を和らげ,ストレスを軽減させ治療に協力できる鎮静状態や健忘効果を作り出す.歯科診療においても不安や恐怖感,緊張感などの負担を軽減し有効な健忘効果を持つことから,歯科恐怖症の発症を予防することが期待できる精神鎮静法の一つとされている.
歯科恐怖を誘発する感覚として口腔内での触覚や味覚が報告されているが,吸入鎮静法がこれらの感覚入力を抑制することがわかれば,誘発される歯科恐怖症の発症を軽減させ, 歯科診療への受容を高める可能性を期待することができると考える.
吸入鎮静法は聴覚や触覚などへの効果も報告されているが,歯科医療に関連がある口腔内感覚の味覚や口腔粘膜での触覚への影響は明らかにされていない.よって本研究では,I吸入鎮静法のヒトでの口腔内感覚における味覚と触覚への影響を調査し,これがヒトの口腔内感覚に与える影響を調査することを目的とした.
健康成人ボランティア54名を対象とし,各濃度での吸入鎮静法下に味覚検査として電気味覚診, ろ紙ディスク法を行い,触覚機能検査としてSemmes-Weinstein Monofilaments (SWM) 検査を行った.結果,電気味覚検査,ろ紙ディスク検査およびSWテスターにおいて吸入鎮静法により閾値が有意に増加した.
以上のことから,吸入鎮静法は口腔内の味覚と触覚の閾値上昇を引き起こすことがわかった.吸入鎮静法により歯科恐怖の原因ともなる口腔内感覚を制御するという点で,歯科治療時において鎮痛,鎮静,健忘効果に加えて有効な手段となりうるが,今回は味覚と触覚の知覚低下が歯科恐怖症に与える影響について調査していないため,今後歯科恐怖症も含めた患者を対象に口腔内感覚に対する吸入鎮静法の影響を調査する必要であると考える.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

亜酸化窒素吸入がヒトでの口腔内感覚(触覚や味覚)の閾値上昇を引き起こすことが証明され、これをラットにて再現し、組織学的に証明する予定であったが、新型コロナの影響で基礎実験系が一時的に中断してしまった。

今後の研究の推進方策

1.口内炎・抜歯ラットモデルに対する亜酸化窒素の疼痛抑制効果の検討
亜酸化窒素が歯科治療で想定される疼痛を濃度依存性に抑制することを証明する。
2.神経障害性疼痛モデル及びガン性疼痛モデルに対する亜酸化窒素の抑制効果の検討
亜酸化窒素が病的な痛みに対しても濃度依存性に抑制することを証明する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナの蔓延により、予定していた研究系統が一時中断したことが影響と考える。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 歯科診療が困難な患者における亜酸化窒素吸入鎮静法の実態調査2020

    • 著者名/発表者名
      原野 望、渡辺幸嗣、佐伯 桂、牧 憲司
    • 雑誌名

      小児歯科学雑誌

      巻: 58(3) ページ: 82-89

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi