研究課題/領域番号 |
19K10347
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
勝又 明敏 朝日大学, 歯学部, 教授 (30195143)
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研究分担者 |
藤田 廣志 岐阜大学, 工学部, 特任教授・名誉教授 (10124033)
原 武史 岐阜大学, 工学部, 教授 (10283285)
飯田 幸弘 朝日大学, 歯学部, 講師 (60350873)
村松 千左子 滋賀大学, データサイエンス学部, 准教授 (80509422)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | パノラマX線画像 / ディープラーニング / 自動認識 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、人工知能の適切な応用によりパノラマ画像全体で異常の有無や程度を判別し、症例の口腔の状態を自動的にプロファイリング(推理・分析)するシステムを確立することにある。 2020年度は、2019年度に収集した画像データベースに対して被験者口腔の歯科的(健康)状態に関するアノテーション(注釈)を付加する作業を進めた。アノテーション付与項目としては、歯の種類(歯番)、歯冠の状態(正常、齲蝕、部分的歯冠修復、全部歯冠修復など)、歯根の状態(正常、根管治療済み、インプラント(人工歯根)、歯根齲蝕、根尖性歯周炎など)、歯科病変の局在(X線透過性病巣、X線不透過生病巣、根尖のX線透過性病巣、上顎洞の異常、顎関節の異常、唾液腺の異常、過剰歯など)がある。また、収集した画像を「健常な成人」「乳歯を持つ小児」「歯科治療の多い成人」などに大まかに分類し、ディープラーニング法によりこれらの識別が可能かを調べた。その結果、「乳歯のある歯列」「歯科治療の多い症例」「インプラントのある症例」などは、高い精度で識別可能である事がわかった。 2021年度は、AIディープラーニングによるパノラマX線画像からの歯式取得について,診断精度向上の検討をおこなった。パノラマ画像上の個々の歯に関しては,「歯の種類(歯番)の識別」および「歯冠・歯根の状態の識別」において,どちらも95%以上の精度が得られた。しかし,患者の口腔内には数十本の歯がある。患者口腔内で一歯も間違えずに識別できたか否かを基準に精度を求めると,どちらも80%から90%の精度となり,さらなる向上が望まれる。
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