研究課題/領域番号 |
19K10349
|
研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
野上 堅太郎 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (50389417)
|
研究分担者 |
豊福 明 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (10258551)
自見 英治郎 九州大学, 歯学研究院, 教授 (40276598)
谷口 省吾 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (70179836)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 星状神経節ブロック / 知覚異常 / 遺伝子多型 |
研究実績の概要 |
顎口腔領域の手術後等に発症する知覚異常が長引くと患者のQOLを大きく損なう。我々は以前の研究で下歯槽神経知覚異常に対して星状神経節ブロックを施行した結果、有意に改善が認められたが、その治療効果の程度には個体差があった。近年、神経障害性疼痛を含む末梢神経障害の発生脆弱性に遺伝子多型が関わることが報告されており、我々は治療効果の個体差は患者の遺伝子多型による治療への感受の違いではないかと考えた。本研究では、遺伝子多型と顎口腔領域の知覚異常に対する星状神経節ブロックの治療効果の相関を明らかにすることを目指す。 昨年度は、顎変形症で上下顎同時移動術あるいは下顎枝矢状分割術を施行される待機手術患者を対象に知覚異常の程度をVAS、SWテスト、CPT、R-CPTを計測して麻痺の程度を数値化した。術前、術後、治療後に上記のデータ計測を行い、術後一年程度まで計測していく予定にしている。また、対象から唾液DNAサンプルを採取して現在保管中である。当施設では週に1例から2例の顎変形症手術が施行されているため、通常であれば今年中に十分な対象数を得られるはずであった。 昨年、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が発令されたため、歯科系の不要不急の手術がすべて延期となった。また、経過観察にて外来に通院する予定であった患者も不要不急ではないことから来院できず、研究が頓挫している状況にあった。また、今年も新型コロナウイルスの驚異は収まりそうにない。手術はかなり以前より件数が増加したが、麻酔科外来に痛みではなく「麻痺」で通院する患者の数が減ってきていることから、現在も昨年と変わらずデータが20例しか集まっていない状況であり、SGB患者もほぼいない。研究を遂行するためには研究期間の延長を申し込むしかないと考えられる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年、対象数が10例の(研究対象は3例)時点で新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が発令されたため、歯科系の不要不急の手術がすべて延期となった。したがって、本来ならば十分な対象数が確保できると見込んでいた研究自体が頓挫している状況である。それから一年経過したが、やはり新型コロナウイルスの驚異は衰えることがなく、十分な対象数(30から50例)が得られるまで研究期間延長を要望するほかはないと考える。
|
今後の研究の推進方策 |
緊急事態宣言が解除されたため顎変形症手術が再開されるのと同時に研究を再開するが、そう早くない時期に第4波や第5波がくるものと予測される。したがって、新型コロナウイルス感染症が終息するころまで研究期間延長を要望するほかはないと考える。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症拡大のため、顎変形症の手術が行われているが、麻痺の患者の外来受診が少なくなってきている。したがって、術後知覚異常を発症する対象の確保が困難な状態になり、大幅に研究が遅れているため。
|