研究課題/領域番号 |
19K10358
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
東川 晃一郎 広島大学, 病院(歯), 講師 (80363084)
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研究分担者 |
飛梅 圭 広島大学, 医系科学研究科(歯), 准教授 (40350037)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 口腔癌 / EMT / Snail / CCN1 |
研究実績の概要 |
本研究は、口腔癌の治療抵抗性のメカニズムを解析するため、口腔癌細胞を用いてEMTを介したアポトーシス抵抗性について検索する。アポトーシス誘導の刺激として、EMT誘導因子Snailが発現誘導する液性因子CCN1がEMT型癌細胞だけでなく、非EMT誘導癌細胞にも影響を与える観点から解析するため、非EMT型口腔癌細胞株(舌癌由来)OM-1に人工的Notch経路阻害剤ガンマセクレターゼ処理し、CCN1を過剰発現させた細胞株で解析を行った。EMTによって癌細胞がガンマセクレターゼによって誘導される上皮形質と構造の喪失によるアポトーシスに対して、EMT誘導因子Snailは生存シグナルを提供し、その生存シグナルはCCN1経路であることと推測した。まず、アポトーシス抵抗性の指標としてAKTのリン酸化をウエスタンブロットで解析した。親株OM-1に対し、CCN1過剰発現OM-1はAKTのリン酸化が亢進していた。そして、上皮構造維持に重要な分子p63をノックダウンしたOM-1(Notchも遮断される)において誘導されたアポトーシスに対して、CCN1の発現に変化なくアポトーシスが誘導された細胞数が上昇した。この結果は、p63-Notch経路とCCN1経路が別であることが明らかである。したがって、EMTによって誘導される上皮構造維持のリリースによって癌細胞が受けるストレスを、Snailは直接p63-Notch経路に影響を与えるのではなく、別の経路(CCN1)によって代償するメカニズムが推測された。今後は、アポトーシス経路の詳細な検討(Bim経路)を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
過剰発現細胞の作製と維持には時間と労力がかかっているが、おおむね順調に本研究は進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究はおおむね順調に進行し、大きな研究進行上の障害が生じていないため、このまま予定通り進める予定である。具体的には、CCN1が供給する生存シグナルと、p63ノックダウンによって誘導されるアポトーシスで共通するカスケードを検索するため、組換えCCN1刺激時の、あるいはp63のsiRNA法によってサイレンシングした細胞株を樹立し、Bimを介した経路をウェスタンブロット法にて解析する。さらにはCCN1とp63をダブルノックダウンした細胞株も樹立し、それら細胞の動態とアポトーシス経路を解析する予定である。
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