研究課題/領域番号 |
19K10362
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研究機関 | 社会医療法人博愛会(臨床研究センター) |
研究代表者 |
浜田 倫史 社会医療法人博愛会(臨床研究センター), 歯科口腔外科, 部長 (00444894)
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研究分担者 |
谷本 昭英 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (10217151)
横山 勢也 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (20569941)
杉浦 剛 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (40322292)
中村 利明 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (60381183)
山田 宗茂 京都大学, 医学研究科, 特定研究員 (60625242)
中村 康大 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 医員 (90783506)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 口腔癌 / エピジェネティクス / DNAメチル化 / うがい液 / シェーグレン症候群 / microRNA / バイオマーカー / 口腔前癌病変 |
研究実績の概要 |
近年がん治療においてプレシジョン治療の概念が急速に普及している。その中核は、常に変化する腫瘍の性状をリアルタイムに把握する体液を用いたリキッドバイオプシー である。口腔癌においても液体生検による最適化治療の確立は急務であるが、有用なマーカーは見出されておらず、その基盤となる統合的遺伝情報データベースも存在しない。 そこで本研究では、口腔癌症例および健常者から非侵襲的に採取したうがい液検体を用いてゲノム・エピゲノム・マイクロRNAなどの統合的マルチオミクス解析を行い、まず口腔癌および正常粘膜の統合的遺伝情報データベースを構築したのち、遺伝情報に基づいた口腔癌の個別プレシジョン治療を実現することを目的とした。 解析に先立ちわれわれは、共同研究契約に基づき協力企業に勤務する約1000名の口腔健常者からうがい液を採取し、健常日本人のデータベース構築に備え十分な試料を確保した。また、同時に口腔癌、その前癌病変および癌ではない口腔の炎症性疾患の症例のうがい液も収集を進めた。予備的な解析では、口腔癌おリスク因子である喫煙や飲酒が口腔粘膜の特定の遺伝子のDNAメチル化異常を惹起することを見出し、学会に報告した。 これらの試料を用いてDNAメチル化およびmicroRNAの解析を行ったところ、①健常者と比較し口腔癌に特異的に発現するmicroRNA群、②健常者と比較し口腔癌に特異的に発現する異常DNAメチル化遺伝子群、③炎症疾患や口腔前癌病変などを含む口腔癌疑い症例群から口腔癌症例を鑑別しうる異常DNAメチル化遺伝子群、④シェーグレン症候群に特異的に発現するmicroRNA群の上記4つを同定し、それぞれ学会発表および論文化した。またこれらをバイオマーカーとして用いた新規口腔癌検出システムとシェーグレン症候群診断システムを構築し、既存の診断法の欠点をカバーし得る新規診断法として知的財産化した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
複数の学会発表を行ったのち、2本の査読付き論文として誌上発表を行った。また新規診断法を開発し、2件特許出願した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は正常ヒト口腔粘膜のエピジェネティクスに関してのデータをまとめ、発表する予定である。またより高精度の診断法開発を目指し、バイオマーカーの検出手法に関しても検討を加えていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
必要な試薬の購入に不足だったため次年度に繰り越して購入する
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