研究課題/領域番号 |
19K10365
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
岩崎 良太郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師(非常勤) (30365390)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 炎症性サイトカイン / 骨代謝 / 骨吸収薬関連顎骨壊死 |
研究実績の概要 |
口腔顎顔面外科領域では悪性腫瘍による骨破壊,現在多くの患者に臨床応用されている歯科用インプラントに伴うインプラント周囲炎など口腔内疾患の多くに骨吸収や骨破壊,骨欠損の疾患が認められる.ゾレドロネートを含めたビスホスホネート製剤に代表される骨吸収抑制剤は全身投与にも関わらず,歯科口腔外科領域での顎骨壊死や耳鼻咽喉科領域での外耳道骨壊死など、限定的な部位でのみ骨壊死を起こすことが分かっているが,発症メカニズムは解明されておらず、確立された治療法も未だない.またこれまでの臨床経験より,口腔衛生状態が悪く歯周疾患の進行した患者では,顎骨壊死が重症化している可能性が示唆されている.炎症による骨破壊性疾患の一つである、薬剤関連顎骨壊死マウスモデルは以前から報告されているが,薬剤に焦点を当てた研究が殆どである.骨吸収抑制薬 は全身投与であるにも関わらず,顎骨のみに病変が生じることからなんらかの炎症を惹起させることが発症に寄与している可能性を考慮し、新たモデルマウスを確立しそれを用いて骨破壊性疾患が生じるメカニズムについて解析を開始している。またある種の薬剤投与により炎症性サイトカインの制御をすることで顎骨壊死の抑制のも成功しており、今後それらのメカニズムについても解析を行っていきたいと考えている。 また、炎症による骨破壊性疾患として多くの患者が罹患しているインプラント周囲炎がある。インプラント周囲炎をマウス口腔内で再現したモデルの作成にも成功している。それらを用いて同様の手法を用いて発症機序や治療法の解明を進めていきたいと考えている。また、得られた知見の一部を国内学会にて発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請者はビスフォスフォネート製剤を投与したマウスを用い、抜歯後の顎骨壊死マウスモデルを使用し、ある種の薬剤投与を行うことで骨壊死を抑制するメカニズムの一部を解明した。その再現実験を行い、骨壊死の抑制が可能であることがことが確認できている。また、このモデルマウスの、血清のELISAによる評価では、ある種の炎症性サイトカインが減少していることを明らかにしており、引き続きそれらサイトカインがどのように炎症を抑制しているかについての解明を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
炎症性サイトカインをある種の薬剤投与による制御することで、減少していることを明らかにしており、引き続きサイトカインがどのように炎症を抑制しているかin vitroおよびin vivoにおいて解析を継続して行う予定である。
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