研究課題/領域番号 |
19K10373
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
秋山 広徳 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (20448111)
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研究分担者 |
吉田 謙 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (10463291)
山崎 秀哉 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50301263)
隅田 伊織 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10425431)
門前 一 近畿大学, 医学部, 准教授 (10611593)
清水谷 公成 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (80121820)
武中 正 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80626771)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 口腔癌 / 小線源治療 / 3Dプリンタ / ゲル線量計 / 下顎骨遮蔽材 / 不均質補正線量計算 |
研究実績の概要 |
3つの事柄について達成もしくは進行中である。1. 人体等価リアルサイズ口腔ファントムの作成 2. 人体等価材を用いた3次元ゲル線量計の作成 3. 舌癌組織内照射時における下顎骨遮蔽材の開発である。1に関しては、本年度は、まず、健常ボランティアのCT画像を取得し、そこから、近似のCT値を持つ物質の探索を行った。人体では、舌CT値40、海綿骨CT値430、皮質骨CT値1500程度を取得した。これらに類似のCT値を持つ物質を探索し、現時点では、舌相当物質としてCT値46、皮質骨相当物質としてCT値1494、海綿骨相当物質としてCT値412となる物質群を発見した。 いずれも流動性を持ち、3Dプリンタによる、リアルサイズの型枠に流し込み、固化させることが可能である。2に関しては、当初ポリマーゲル線量計に上記骨等価材材料を混在させたものを試みたが、発色を確認することができなかった。そこで、色素ゲル線量計に変更して試みた。現在、舌癌組織内照射および外部照射で用いるエネルギー帯のガンマ線およびエックス線を照射し、色素ゲル線量計が発色するところは確認した。次のステップとして、人体等価材を用いた色素ゲル線量計を試作している。3に関しては、分担研究者らが開発したタングステンゴムを用いて、舌癌組織内照射の下顎骨遮蔽材として有用かどうかを、実測およびモンテカルロ計算によって確認した。その結果、十分実用に耐えられることを明らかにした。今後は、材料の毒性について検討し、臨床実験に入る予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
CT装置の電圧の調整が、文献上の値と一致させることができず他施設の装置を使用する必要があり、そのためやや遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
人体等価リアルサイズファントムを完成させ、実際に金属補綴物を装着し、治療シミュレーションを行う。人体等価色素ゲル線量計を完成させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
人体等価リアルサイズファントムの作製ができなかったこと、および、3次元色素ゲル線量計が、試作段階であり、実際の人体等価材を混在したものの作製ができなかったため。次年度は、まず、最優先で人体等価リアルサイズファントムの作製のために使用する。さらに、3次元色素ゲル線量計に関しても、少なくとも人体等価材を混在させた状態で色調変化が認められるところまで持っていく予定である。
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