研究課題
1.放射線等価リアルサイズ下顎骨ファントムの作製に成功した。まず、ボランティアの口腔下顎骨CTデータより、原型となるモデルを3Dプリンタを用いて作製した。(倫理委員会承認済み)原型をもとに、昨年度までに開発に成功した、軟組織、皮質骨、海綿骨等価材を流し込むことにより作製を試みた。しかし、実際は、同時に流し込む際に海綿骨に破損が生じることが多くみられた。そこで、各種工夫を考えた。原因とし、海綿骨に流し込みを行い、海綿骨が完全に固化する前に皮質骨の流し込みを同時に行い、海綿骨が破損したと考えられた。そこで、まず海面骨を流し込み固化させた。CT撮影を行い、破損がないかの確認を行った。その後、海綿骨上に筆を用いて皮質骨等価材を塗布する方式で作製した。その結果、問題なく作製することができた。2.作成したファントムに、正確なアプリケータ刺入のための方策の決定をした。作製したファントムに、熟練者のみならず、誰もが正確にアプリケータを刺入できる方策を考えた。結果、Virtual Reality(VR)を利用した刺入方法を考えた。まず、ファントムおよびニードルをCT撮影し、下顎骨、舌、舌防護材、腫瘍、ニードルをセグメンテーションを行い、VR化した、VR上で、ニードルを利用の位置に配置することに成功した。さらに、Augumented Realityを用いて、ファントムをVRを重ね合わせ、ファントムに実際に刺入することに成功した。
3: やや遅れている
まず、コロナ感染爆発の状況で、業者の活動に制約があった。のみならず、研究者間の打ち合わせも、例えば部外者立ち入り禁止などの処置をとる研究施設もあり、意思疎通が難しかった。リモートで可能な場合は、打ち合わせを行ったが、ファントムの触覚の確認が必要な場合は、直接会う必要があり、難しかった。
1. ファントムの外観をさらにリアルを増すように工夫する。2.マイクロモスフェット線量計による線量の実測3. 実測値と、計算値との比較。この場合の、計算は、不均質補正対応ソフトを用いる。
コロナの影響で研究がやや遅れている。具体的には、ファントムをさらにリアルにするための費用、実測に必要な線量計一式の購入費、Augumented Reality用のデバイスの購入費用である。
すべて 2022 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Journal of Contemporary Brachytherapy
巻: 14 ページ: 87~95
10.5114/jcb.2022.113232