研究課題
本研究で目指したものは、より実際に即した舌癌高線量率組織内照射の術前シミュレーションを可能にするシステムの開発である。その結果、以下の実績を残すことができた。1.患者自身を模擬したファントムの開発 2.下顎骨防護材の新規開発 3.線量計による実測 4.人体の密度を考慮した線量計算(不均質補正線量計算)に関する論文公表最終年度は、上記に加え、5.Virtual Reality(VR)を利用した刺入の実施を行った。これは作製したファントムに、熟練者のみならず、誰もが正確にアプリケータを刺入できる方策を求めて行った。まず、ファントムおよびニードルをCT撮影し、下顎骨、舌、舌防護材、腫瘍、ニードルをセグメンテーションを行い、VR化した。VR上で、ニードルを含めた各構造を所定の位置に配置することに成功した。さらに、Augumented Realityを用いて、ファントムをVRを重ね合わせ、ファントムに実際に刺入することに成功した。しかしながら、実際の刺入ではニードルと、腫瘍や正常組織が接触した際の手指に伝わる触覚により、ニードルの方向をコントロールする。しかし、現状のVRによる刺入ではこれができない。すなわち、空を切るような刺入となり正確性が担保されない。そこで、単なるVRではなく、腫瘍や、骨、筋、リンパ節、皮膚など、各種人体組織と、ニードルが接触あるいは、衝突した際の感覚を手指に伝えることが可能なシステムのプロトタイプを開発した。触覚認識型Virtual Reality (VR)シミュレーションシステムである。これをもとに、誰もがより実際に近い状態でのシミュレーションが可能となることが期待される。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件)
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