研究課題/領域番号 |
19K10404
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村田 有香 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (90755068)
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研究分担者 |
黒坂 寛 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (20509369)
犬伏 俊博 大阪大学, 歯学研究科, 講師 (30550941)
伊藤 慎将 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (40633706)
佐々木 淳一 大阪大学, 歯学研究科, 講師 (50530490)
山城 隆 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (70294428)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 骨芽細胞 / 骨細胞 |
研究実績の概要 |
骨細胞は、骨基質内で細胞間ネットワークを介してメカニカルストレスを感知し、様々な遺伝子やタンパクを発現して骨代謝を調節することで、骨組織内における細胞のコミュニケーションの中心的役割を果たしている。これまでに研究代表者は、2015年度の基盤(C)研究によりMC3T3-E1細胞の三次元コラーゲンゲル培養を行い、リン酸添加や低酸素条件をはじめとする骨細胞分化誘導因子を作用させることで、効果的に未分化間葉系幹細胞を骨芽細胞および骨細胞へと分化誘導させる新たな手法を確立した。 本研究は、研究代表者が確立したMC3T3-E1細胞ならびにIDG-SW3細胞を用いた新規三次元骨細胞分化誘導培養法を用いて、骨細胞の分化に必須の転写因子を同定し、さらにこれらの転写因子を用いたダイレクトリプログラミング法による新規骨細胞分化誘導法を確立することを目的とした。 本年度、我々は、MC3T3-E1細胞だけでなく、IDG-SW3細胞の培養に新規三次元骨細胞分化誘導培養法を応用し、骨細胞への分化能を検討した。IDG-SW3に分化誘導因子を添加し培養した細胞群では、対照群と比較して、石灰化の亢進、骨細胞特異的分化マーカーであるDmp1およびSostの遺伝子発現の上昇、Dmp1 promoterに依存的なGFPの高い発現を認め、骨細胞への分化が確認できた。これらのことから、IDG-SW3細胞を用いた新規三次元骨細胞分化誘導培養法を応用した培養実験の有用性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
IDG-SW3細胞に新規三次元骨細胞分化誘導培養法を応用した培養実験の有用性の検討に当初の計画より時間を要したが、全体的にはおおむね順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、新規三次元骨細胞分化誘導培養法を応用して培養したMC3T3-E1細胞ならびにIDG-SW3細胞を用いて、マイクロアレイによる網羅的解析で検出した骨細胞にて高発現の認められる転写因子の遺伝子発現をリアルタイムPCR法にて確認する。さらに、標的遺伝子のノックアウト細胞を作製して新規三次元骨細胞分化誘導培養法にて培養し、骨細胞分化マーカー遺伝子発現ならびに形態学的解析を行うことで標的遺伝子の骨細胞分化における役割を解析する。これにより骨細胞分化に関わる転写因子を検索する。
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