本申請の特色は、矯正処置によって生じる疼痛をやわらげ、骨の代謝に影響しない鎮痛薬の探索をおこなう点である。今回研究を進めたことにより、痛みは装置装着後1日目で発現し、7日目には痛みが消失。骨を溶かす細胞数は1日から7日目にかけ増加し、歯の移動量も同様に7日目で最大移動量を示すことも報告した。また、鎮痛薬としてアスピリンの投与が痛みに及ぼす影響を検討した。アスピリンの投与により、痛みは減少し、骨を溶かす細胞も減少した。このような結果は疼痛の原因解明ならびに治療法確立に貢献する可能性も高い。以上から本研究は、矯正患者を苦痛から少しでも解放するために非常に重要なアプローチであったことが考えられた。
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