上顎正中過剰歯の発症頻度や治療に関する報告は多いが、その成因は未知である。本研究の目的は、上顎正中過剰歯発症に関わる遺伝子マーカーを検出することである。被検者は、正中過剰歯群24名とコントロール群24名である。げっ歯類の切歯部過剰歯発生に関与するSOSTDC1、LRP4、PAX6遺伝子の一塩基多型(SNPs)において、遺伝子型とアレル頻度を過剰歯群と対象群間で比較した。二群間で統計学的に有意に差のあるSNPsは検出されなかった。しかしながら、二群間で示唆的な差がLRP4のエクソン内SNPであるrs6485702において検出された。LRP4が上顎正中過剰歯発症に関与する可能性が示唆的に示された。
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