研究課題/領域番号 |
19K10430
|
研究機関 | 明治国際医療大学 |
研究代表者 |
福田 晋平 明治国際医療大学, 鍼灸学部, 講師 (30641998)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 鍼治療 / 口腔機能 / 嚥下機能 / パーキンソン病 / 円皮鍼 / サブスタンスP / RSST / セルフケア |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、パーキンソン病の嚥下機能に対する経穴刺激と嚥下訓練を組み合わせたセルフケアプログラムによる治療効果を検討することである。本研究では、UPDRS、反復唾液嚥下テスト(RSST)、舌圧、グルコース濃度、口腔水分量、EAT-10、オーラルディアドコキネシス、唾液中のサブスタンスPを指標とした。 研究期間とコロナウィルス感染拡大の時期とが重なり、研究計画に大きな遅れが生じたが、2022年度に入りパーキンソン病患者のリクルートを開始することができた。セルフケア治療期間(4週間)ののち、セルフケア治療休止期間(4週間)の延べ8週間を研究期間とした。 現在10名の患者が研究期間を終えることができた状況である。現時点での結果として、セルフケア治療期間の前後において、RSSTの短縮、グルコース濃度の増加(咬合力)、EAT-10の総合点の低下、オーラルディアドコキネシスの増加といった口腔機能の改善がみられた。また、パーキンソン症状を示すUPDRSの低下がみられパーキンソン症状の改善もみられた。しかしながら、舌圧、口腔水分量、サブスタンスPにおいては変化がみられなかった。このため、口腔機能の改善はパーキンソン症状である筋強剛や姿勢異常に伴う頸部等の筋緊張の亢進を改善させた結果によるものと考えられる。 今後、セルフケア治療期間終了後の予後についての検討を行う。また、パーキンソン症状の程度と嚥下機能の改善度との関連性についての解析を行う。さらに可能であれば症例数を増やしての検討を行いたい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度は新型コロナウィルス感染症が収束に向かい、蔓延防止重点措置法も既に解除され、再度患者リクルートおよび検査等のスケジュールを決定し研究を再開することができた。このため、パーキンソン病患者会(NPO法人パーキンソン病支援センター)において本研究の告知を行い、研究への協力を希望する患者をリクルートすることができた。しかしながら、過去3年の新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言および蔓延防止重点阻止法等により、パーキンソン病患者は基礎疾患を抱える患者が多く、対面での検査やセルフケアの指導等が行えない状況であり研究が中断せざるを得ない状況であったため遅延している。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでに得られた研究データの統計解析処理を進め、研究成果の発表(学会発表、論文発表)を行う予定である。また、患者のリクルートに協力いただいた患者会(パーキンソン病支援センター京都)等においても研究発表を行い、社会還元活動に努める予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症の感染拡大に伴い、当初予定した研究計画よりも遅れてしまったため。
|