パーキンソン病患者10名に対して円皮鍼と嚥下体操の組み合わせによるセルフケアを実施し、その効果を検討した。 評価は舌圧、グルコース濃度(咬合力)、口腔水分量、オーラルディアドコキネシス、RSST(反復唾液嚥下テスト)、EAT-10(自覚的な嚥下機能)とした。評価はセルフケアの実施前、実施後、フォローアップ(介入の4週間後)の3回実施した。 セルフケアによって、EAT-10は6.5±6.8(介入前)→3.1±3.6(介入後)→4.1±6.8(フォローアップ後)となり、オーラルディアドコキネシスは59.4±9.9(介入前)→66.1±11.7(介入後)→65.5±12.2(フォローアップ後)となり、グルコース濃度は209.8±102.7(介入前)→256.121.4(介入後)と統計学的に有意な変化がみられた。他の項目では変化はみられなかった。 今回の結果から、円皮鍼と嚥下体操によるセルフケアプログラムは嚥下障害を有するパーキンソン病患者において有効である可能性が示唆された。今後は、プラセボ効果を除外するためにプラセボ円皮鍼等による比較試験が必要と考えられた。
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