研究課題/領域番号 |
19K10439
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
竹原 祥子 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (60622438)
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研究分担者 |
植野 正之 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (70401388)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | コモンマーモセット / 霊長類 / 口腔内細菌 / メタゲノム解析 / 老齢歯学 / 加齢モデル |
研究実績の概要 |
本研究では、加齢に伴う口腔機能および口腔状態変化の分析を、真猿類マーモセットを用いて行う。他の実験動物と比較して、マーモセットは遺伝子学的、発生学的、生理学的、社会行動科学的、口腔解剖学的にヒトと相同性を有している。加齢研究においてマーモセットを用いる最大のメリットは、平均寿命が14年と短いため、短い研究期間で加齢に伴う身体機能の変遷を観察できることである。先行研究において、口腔内細菌叢の多様性と免疫機能の関連について報告されている。研究代表者らの予備実験の結果、ヒトと比較して超高齢マーモセットの口腔内細菌叢において高い多様性が認められた。この予備実験の結果を基盤にして、実験をさらに発展させて加齢に伴う顎口腔機能変化を通常の歯科診断のみならず、口腔内細菌叢や口腔内代謝産物などの分子レベルの変化からの分析を、本研究では行う。3年の研究期間で、マーモセットの口腔内細菌叢、口腔内代謝物質、口腔状態、さらには腸内細菌叢と年齢関連について統計解析を行い、口腔のミクロ環境と口腔疾患との関係、口腔内細菌叢および口腔内代謝産物プロファイルの変化、全身の健康状態との関係を調べ、歯科領域における加齢モデルの確立を目指す。研究初年度においては、15歳以上のマーモセット(ヒトの90~100歳に相当)と若年マーモセットの口腔内診査を行い口腔疾患および口腔機能について評価し、口腔内細菌叢及び腸内細菌を採取した。研究2年目(2020年度)は、若年マーモセットをコントロールとし、超高齢マーモセットの口腔内細菌叢を分子レベルで解析し、得られた口腔内ミクロ環境と口腔状況について解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画通り若年から超高齢までのマーモセットの口腔内診査を行い口腔疾患および口腔機能について評価し、口腔内細菌叢の解析を行った。腸内細菌叢の解析は未着手である。
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今後の研究の推進方策 |
超高齢マーモセットおよび若年マーモセットから採取したサンプルに含まれる口腔内細菌叢および腸内細菌叢の解析を継続して行う。研究最終年度にあたる2021年度は成果を論文にまとめて発表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究者との打ち合わせ等ができない等により、研究の進捗が遅れた。
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