研究課題
2021年4月-12月に、唾液と手指スワブを採取した。対象者は同意の得られた本学スタッフ26名、患者140名の計166名(2~88歳)で、患者の11名からは口腔感染病巣検体も採取した。ブドウ球菌を分離培養後、DNAを抽出し、PCRによりmecA等を検出した。S.aureusについては、コアグラーゼ(coa)型別、MLST解析、メチシリン耐性株に対してはSCCmec型別を行った。coa陰性ブドウ球菌(CNS)は、16SrRNA遺伝子の解析により菌種を同定した。18種類の抗菌薬への感受性を微量液体希釈法により測定し、薬剤耐性遺伝子をPCRにより検出した。S.aureus の検出率は、口腔で27.7%、手指で16.3%、うちMRSAが1.2%、手と口腔両方が9%であった。CNSは、口腔で18.7%、手指で92.2%であった。総株数は、S.aureus 75株、S.argenteus 1株(口腔)、CNS186株で、MLST解析では、23種のSTが同定され、ST8、ST15、ST188(各7.6%)、ST97(6.6%)、ST20、ST30(各5.3%)の順に多く、ST2250のS.argenteusが1株認められた。MRSA 2株の遺伝子型は、coaIVb-SCCmecIVa-ST6、coaVIIa-SCCmecIVa-ST1であった。CNSは計15種が同定され、S.warneri(52株)、S.capitis(39株)、 S.saprophyticus(20株)、S.haemolyticus(19株)が多かった。mecA保有株は4.3%であった。S.aureus、CNSの耐性率は各々、AMP:36%、24.7%;ERY:32%、24.2%;GEN:20%、7%;FOF:0%、61.8%であった。今後も市中におけるMRSAの蔓延状況を継続して調査する必要があると考えられた。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件)
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