研究分担者 |
石崎 晶子 昭和大学, 歯学部, 講師 (00710386)
村田 尚道 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (10407546)
渡邊 裕 北海道大学, 歯学研究院, 准教授 (30297361)
林 佐智代 (三田村佐智代) 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (40343579)
佐藤 秀夫 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (40507125)
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研究実績の概要 |
口腔機能発達不全症とは, 機能が十分に発達していないか,正常に機能獲得が出来ていない状態で明らかな摂食機能障害の原因疾患を有さないとされているが,その実態に関しては不明な点が多い.これまでに本疾患の特性を超音波エコー装置その他の計測機器を用いて,原因となる病態の解明にフォーカスを行った.本年度の研究ではこれまで口腔腔機能発達不全症と診断された対象者の咀嚼運動を筋電計を用いてその特徴を明らかにすることを目的に検討を行った. 対象は都内某区立保育園に通う96名のうち,5歳以上かつガム咀嚼を行うことに同意を得た42名(男児17名,女児25名)である. 保護者への聞き取りや口腔診査等での調査結果をもとに,口腔機能発達不全症の診断基準から,口腔機能発達不全症16名と非該当26名に分類を行った.咀嚼筋活動の分析は小型表面筋電計を用い,咀嚼チェックガムを60回自由咀嚼した際の咬筋の筋活動を記録した分析項目は咀嚼周期,咀嚼間隔,咀嚼持続時間,筋活動量,咀嚼周期間の最大振幅間距離,60回総咀嚼時間とした. 口腔機能発達不全症の群では60回咀嚼時の右側筋活動量は有意に筋活動量が少なかった.左側の最大咀嚼ピーク間隔と60回平均最大咀嚼ピーク間隔は非該当者の群と比較して間隔が長い傾向がみられた. 口腔機能発達不全群では咬筋の筋活動量が少なく,咀嚼間隔が長いことからか,咀嚼時の筋活動が弱く,咀嚼能率が低い可能性が考えられた. 結果「噛めない」「咀嚼に時間がかかる」という現症が生じている可能性が示唆された.
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