研究課題
今年度は昨年度に引き続き、横浜市立大学口腔外科にて、NASH(非アルコール脂肪性肝炎)とNASH由来肝がんの被験者の歯周病に関するデータと内科的データ、腸内細菌と口腔内細菌に関するデータのサンプリングを行った。現在、NASH患者50名、NASH由来肝がん患者20名のサンプリングが終了している。現在サンプリングが終了している被験者のデータの中間解析を行ったところ、NASH由来肝がん患者はNASH患者と比較して、唾液中IgA分泌速度が低値であることが判明した。唾液中IgA分泌速度によって、口腔内の歯周病原細菌の数や血清中の歯周病原細菌に交叉するIgG濃度も変化する可能性がある。また、腸内細菌の構成にも影響を与えている可能性がある。ここまでの解析結果をまとめ、学内研究会にて発表を行った。血清中のPorphyromonas gingivalis(P.g.)とFusobacterium nucleatum(F.n.)に交叉するIgGのELISAは終了しており、現在解析を進めている。また、口腔内細菌と腸内細菌のメタゲノム解析も随時行っており、被験者のサンプリングが終了した時点で解析を行う予定にしている。被験者の各種内科的データの入力も進めており、こちらもサンプリングが終了した時点で解析を行う予定である。
4: 遅れている
今年度までにサンプリングを終了し、解析結果も発表する予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令に伴い、横浜市立大学口腔外科外来でのサンプリングを行うことが不可能な時期が続いたため。
今後NASH由来肝がん患者のサンプリングを2名行い、サンプリングは終了となる。その後全てのデータ解析を行い、7月までには結果を考察する予定としている。研究結果は今年度中に英語論文としてまとめ、投稿する予定である。
サンプリングが終了しておらず、唾液、血清、糞便サンプルの解析が終了していないため。また論文作成も行えていないため。次年度使用額は、唾液、血清、糞便サンプルの解析、作成した論文の英文校正費、論文の掲載費として使用する予定である。
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日本口腔検査学会雑誌
巻: 14(1) ページ: 3-8
日本歯科保存学雑誌
巻: 64(2) ページ: 163-170