研究課題/領域番号 |
19K10460
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
関亦 明子 福島県立医科大学, 看護学部, 教授 (50321823)
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研究分担者 |
関亦 正幸 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (80250190)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 唾液腺 / 耳下腺 / 放射線傷害 / 細胞培養 / がん支持療法 |
研究実績の概要 |
我々は、がん治療でその傷害が特に問題となる耳下腺とその機能を反映するアミラーゼ分泌に注目して、これまでに“蛍光耳下腺マウス”を作製してきた。本研究では、長期培養で唾液分泌能が低下するというこれまでの問題点を克服し、唾液腺の機能を可視化・数値化できる光る耳下腺培養系をこの蛍光耳下腺マウスから単離した耳下腺細胞を利用して構築すること、蛍光耳下腺マウス個体を放射線、化学療法剤暴露の動物モデルとして確立することで既知の抗酸化剤の唾液腺防護効果を判定することを目標とした。 本年度は、これまでに我々が決定した培地組成を使用することで、凍結保存後も細胞の性質が変化せず長期培養が可能かどうか検討するため、蛍光耳下腺マウスから単離した耳下腺細胞を長期培養して増殖させ後、凍結保存を実施した。今後は、凍結保存後の細胞の増殖率や性質変化を観察し、分化能を維持しているかどうかについて観察する予定である。 また、放射線防護剤の効果の判定のため、マウス個体の放射線照射実験を行なった。マウスを鉛の防護板で覆い、唾液腺のみを露出させ、放射線照射強度を変えて照射し、1日から7日間飼育した後、組織切片を作製して耳下腺と顎下腺の組織の観察と定量的PCR法を用いて、傷害や炎症程度の判定を行なって、唾液腺の放射線傷害強度を判定する方法を検討した。 以上のように本年度は今後使用する防護剤の効果判定に使用する放射線強度と防護効果を判定する観察項目を決定するために予備実験を主に実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究室の引っ越しと新研究室の立ち上げのため、予定した実験が進まなかった。
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今後の研究の推進方策 |
耳下腺細胞や顎下腺細胞の凍結保存や、放射線照射と防護剤の効果判定のための条件検討は開始しており、時間的に予定より遅れてはいるが、実験そのものは計画通り進んでいる。今後予定している凍結保存後の唾液腺細胞の長期培養や分化能の維持について、動物個体の放射線照射の条件検討を順次進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に計画していた実験が遅れたため。今後、当該年度に予定していた実験を計画通りに実施する。
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