研究課題/領域番号 |
19K10472
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
山田 秀則 鶴見大学, 歯学部, 助教 (60240032)
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研究分担者 |
村田 貴俊 鶴見大学, 歯学部, 講師 (10313529)
花田 信弘 鶴見大学, 歯学部, 教授 (70180916)
宮之原 真由 鶴見大学, 歯学部, 学部助手 (70460186)
野村 義明 鶴見大学, 歯学部, 学内教授 (90350587)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 歯周病菌 / Redコンプレックス / チェアサイドPCR |
研究実績の概要 |
歯周病の発症予測には、口腔内の歯周病菌検査はたいへんに有用である。従来では、唾液や歯垢サンプルを臨床検査会社に委託する等、結果を得るために相応の時間を必要とする。チェアサイドでの簡便、短時間で結果を得る方法はなく、その開発が期待されている。当該研究は、リアルタイムPolymerase Chain Reaction (PCR)を技術基盤とした「モバイル遺伝子検査機」を用いて、REDコンプレックスと称される3種の歯周病菌、Porphyromonas gingivalis (P.gingivalis)、Treponema denticola (T. denticola)、Tannerella forsythia (T. forsythia)を同時検出するチェアサイドPCR法の確立を目指している。 当該年度は、PCR反応に必要なP.gingivalis、T. denticola、T. forsythiaの16S rRNA遺伝子配列を参考に、菌種特異的プライマーおよび蛍光プローブを設計した。続いて、所属研究室に保存しているREDコンプレックス3菌種に加え、20種の口腔細菌を培養、ゲノムを抽出・混合し、PCR反応の鋳型として調整した。調整された鋳型と設計したプライマーを使用し、通常のDNA増幅装置を使用し、「モバイル遺伝子検査機」用の反応条件でPCR反応を行い、プライマーの特異度、敏感度を調べた。アガロース電気泳動により、増幅されたDNAは予想増幅長の単一バンドとして確認された。つまり、設計されたプライマーが「モバイル遺伝子検査機」で使用可能であることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
設計したP.gingivalis、T. denticola、T. forsythiaの特異的プライマーの敏感度、特異度は、十分に満足できることを通常のPCR装置で確認できたため。このことは少なくとも、モバイル遺伝子検査機でも良好なPCR反応が期待できることを示している。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に従い、設計された蛍光色素標識菌種特異的プローブの妥当性評価をモバイル遺伝子検査機で行う。調整されたゲノムを鋳型とした反応で良好な結果を得た後、実際での臨床を想定した、唾液、歯垢サンプルを使用したPCR反応を試みる。実際には唾液、歯垢サンプルからの細菌ゲノムの抽出困難が想定される。安定した細菌ゲノム抽出手法の開発が今後の研究の鍵になると思われる。
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次年度使用額が生じた理由 |
Prevotella loescheii JCM 8530株の汚染が確認されたため、Prevotella loescheii同定のための特異的プライマーの購入を見送ったためである。その特異的プライマーを次年度に購入し、新規納入予定のPrevotella loescheii JCM 8530株の同定に使用予定である。
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