研究課題
地域におけるVaccine Hesitancy(VH)対応モデル確立の一環として、子育て相談会の月1回定期開催を実施してきたが、コロナ禍により開催が困難な状況となった。年2回、公共の場におけるワクチン説明会は継続し、ワクチンに関する不安情報の収集を実施した。医療関係者へのVH対応普及の試みについては、講演会を基盤として、Web講演システムの発達に伴って、医師のみならず看護師や製薬会社関係者らへも普及する機会が増加した。2021年度はコロナワクチンが小児へも適応拡大となり、社会全体がワクチンに対する興味が高まり、必然的にVHへの関心も高まる結果となった。これまで本研究を深めてきたことで、VHの問題は決して保護者の考え方の間違いや宗教的観念から生ずるものではなく、多くの場合、医療者への不信感、信頼の欠如が要因と考えられた。それゆえコロナ禍におけるVH対応は極めて大きな課題と思われ、本研究における追加課題として種々実践した。保護者へのコロナワクチンに関するアンケートを実施した。総計11,394人から回答を得た。ワクチン未接種者調査として、従来のワクチンに対して「全く接種していない」の回答は中学生で2.2%(90人)、小学生で2.6%(191人)であった。本研究における先行研究においても3.3%という結果を過去に得ており、わが国におけるVHは2~3%程度と推測された。コロナ禍における混乱はVH対応においても同様に起こり、医療者がVHを「反ワクチン」「ワクチン忌避」と表現することで問題を認めている。これら用語については再評価が必要である。国家として推奨したにもかかわらず小児コロナワクチン接種率は決して高くなっていない。将来を見据えてVHのみならずワクチンへの正しい理解と普及をさらに深めるため、コロナ禍のわが国おけるVH対応を総合的に検証することが次のステップとして重要である。
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アレルギーの臨床
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