研究課題
新たなRQとして「高齢糖尿病患者が認知症を合併した際に医師の感じる困難感とはなにか。医療役割の違い(専門性の相違)によって困難感の内容は異なるのか。」を設定した。対象を、家庭医(6)と糖尿病専門医(6)について、逐語記録をSCAT(Steps for coding and theorization)にて分析した。結果:家庭医から、34のテーマ(9のカテゴリー)、専門医からは25のテーマ(8のカテゴリー)が抽出された。考察:高齢糖尿病に認知症を合併した際に感じる困難感は、糖尿病管理が難しくなること(低血糖リスクなど)、家族の協力の必要性、生活基盤の調整、他職種との連携、介入目標の試行錯誤などの、多くの課題に関係している。専門性の比較において、糖尿病専門医と家庭医の困難感で共通する部分は、「理想と現実の乖離」、「認知症の特徴に関連した困難」、「患者中心性」などであった。家庭医は、糖尿病専門医より「患者の尊厳・人権」に重点を置いて、「多職種協働」による困難の克服を目指していた。糖尿病専門医は、疾患特有の不確実性への困難を感じており、糖尿病に特徴的な困難も、家庭医より強く感じている。しかし、自分なりの工夫や改善を通してやりがいや喜びを感じているというポジテイブな感情面も認められた。 専門職の役割と目標の相違を言語化できたと考える。
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