研究課題/領域番号 |
19K10485
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
加治 建 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 特任教授 (50315420)
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研究分担者 |
家入 里志 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00363359)
大西 峻 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 特任助教 (10614638)
山田 和歌 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 特任助教 (20457659)
内門 泰斗 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 特例准教授 (30464465)
矢野 圭輔 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 医員 (30757919)
川野 孝文 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (40457651)
中目 和彦 宮崎大学, 医学部, 講師 (70448570)
春松 敏夫 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 特任助教 (70614642)
町頭 成郎 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (80404523) [辞退]
安田 智嗣 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (80437954)
向井 基 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (80468024)
山田 耕嗣 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (80528042)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 超音波ガイド下静脈穿刺 / 視線追跡 / シミュレーショントレーニング |
研究実績の概要 |
超音波ガイド下中心静脈カテーテル(CVC)挿入手技実施中の視線の動きについて、手技の習熟度における視線の動きの違いを明らかにするために、今年度は、医学生30名のデータ収集を予定していた。医学生のデータ収集については、コロナウイルス感染対策として、全学的に実習を中止にする対応を取られ、実習ができない時期があった。実習再開後に超音波ガイド下中心静脈カテーテル挿入のレクチャー実施後、視線追跡のデータ収集が可能になったのは10名だけにとどまっている。小児外科ローテート中の研修医を3名、卒後5年目以上の小児外科医師3名を対象にしてデータを取得する事ができた。 本年度収集した結果としては、タスク完遂時間:医学生群48.3±10.3秒、レジデント群42.0±8.3秒、専門医群35.2±9.2秒。経験が上がるにつれて短くなる傾向が見られた。 視線が画面からはずれた時間:医学生群20.3±10.7秒、レジデント群18.6±9.2秒、専門医群15.3±5.2秒。経験が上がるにつれて短くなる傾向が見られた。視線が画面から外れた回数:医学生群10.3±5.4回、レジデント群6.3±3.2回、専門医群6.2±2.0回。経験が上がるにつれて減少する傾向が見られた。上記の検討項目については、統計検索を加えることを考え、サンプルサイズの妥当性についても検討を加える必要があると考えている。また、静脈穿刺成否についても検討を加えているが、レジデントが時間は多少かかるものの成功率が高い傾向が見られた。 これまでの研究データの収集と解析の結果から、視線の動きと中心静脈カテーテル挿入手技のスキルの向上には関連性が推測されており、研究の方向性もこのまま継続する方針で問題ないと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ収集が進むにつれて、視線追跡による手技習熟度との関係が少しづつ明らかになってきた。①手技開始後、穿刺針が血管内に挿入されるまでの時間は、習熟者のほうが短い傾向がみられている。②手技実施中における、視線が画面から外れる総時間も、習熟者のほうが短い傾向が見られている。③手技完了までに画面から視線を外す回数が、初心者の方が習熟者よりも多い傾向にある以上の3点が明らかになってきている。現在の所、少ないnの状態ではあるが、各群間の有意差は得られていない所である。静脈穿刺成功率は、研修医の方が小児外科専攻医よりも高い傾向にあり、研修医は救急研修中にほぼ毎日、臨床現場で本手技を実施しており、手技になれていることを予想している。一方、小児外科専攻医は、本手技を実施する回数が、研修医ほど多くないというところも一つの要因とも考えられている。
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今後の研究の推進方策 |
まず、初学者群、初期臨床研修医群、小児外科専攻医群の各n数を増やしてデータの収集を進めていく。また、これまでの結果を踏まえて、継続的なトレーニングが必要であり、視線が動かないようにすることで、成功率が上がることが予想されるため、視線追跡を用いたトレーニングプログラムの開発を目指している。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度、コロナウイルス感染症拡大に伴い、発表予定の国内、海外学会が中止となったため、旅費を執行する機会が減ったことが要因と考えられる。また、学生実習も中止になり、シミュレーターを用いたレクチャーの機会も減ったため、シミュレーターの購入費も減ったことも一因と考えている。 今後は各群におけるN数を増やせる目処は立っており、シミュレーターの購入にあてる予定である。また、海外学会への発表、投稿のために旅費、英文校正費用などで執行する予定である。
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