研究課題/領域番号 |
19K10490
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研究機関 | 国立保健医療科学院 |
研究代表者 |
柿沼 倫弘 国立保健医療科学院, その他部局等, 主任研究官 (40632245)
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研究分担者 |
藤田 貴昭 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (50735636)
大夛賀 政昭 国立保健医療科学院, その他部局等, 主任研究官 (90619115) [辞退]
岩本 哲哉 国立保健医療科学院, その他部局等, 主任研究官 (40782412)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 脳梗塞 / rt-PA / 転帰 / 指標 / 地域医療構想 / 地域包括ケアシステム |
研究実績の概要 |
今年度は、得られたデータを研究分担者と協力しながら分析、論文執筆を進め英文誌に投稿し、採択された。これは研究計画にほぼ沿うことができたものである。 本論文は、t-PAが脳梗塞患者の中期的な機能的自立に与える効果を明らかにすることを目的としたものである。中期的な機能的自立について検証することは、潜在的な患者、患者にとっての退院後の生活を考えるための意識の啓発のみではなく、医療従事者がリハビリテーションの効果、地域の医療提供体制を考えていくうえでも意義がある。 t-PAの処方群の患者と非処方群の患者の機能的な予後を比較するために、傾向スコアマッチングを用いて発症時点の患者の状態を年齢、入院時NIHSS、脳梗塞初発、mRSにより調整した。対象の患者は急性期病院を退院し、回復期リハビリテーション病院に転院した同一の患者である。回復期リハビリテーション病院に転院した際と回復期リハビリテーション病院の退院時のFIM(機能的自立度評価表)合計点を比較した。 その結果、t-PAの処方群の患者は非処方群よりも回復期病院に転院時のFIMの合計点は有意に高いこと、回復期リハビリテーション病院退院時にはリハビリテーションの効果により差が小さくなるもののt-PA処方群の方がFIMの合計点が高い傾向にあることが判明した。今後は、患者の急性期病院の退院後の経路や要介護度に着目した分析が可能であるのか検討し、先行研究のレビューとともに取り組む予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画で予定していたように論文として成果をまとめることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、患者の急性期病院の退院後の経路や要介護度に着目した分析が可能であるのか検討し、先行研究のレビューとともに取り組む予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により、研究実施に必要と考えていた旅費等の経費を予定通りに執行できなかったため。
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