研究課題
天理よろづ相談所病院、内分泌内科に通院する糖尿病患者を対象として、2009年から約4000名の大規模レジストリを作成している。本年度は、2021年度の患者調査を行い、検査データ、薬剤データを医療情報部から取得し、データセットを作成した。2009年からのデータと統合し、本年度登録患者のうち、1型または2型糖尿病患者1576名を対象として、。曝露変数である推定糸球体濾過量(eGFR)および尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR)と、尿中C-メガリン排泄量および濃度とした。2分割モデルを用いて、eGFRおよびUACRと尿中C-メガリン排泄量または濃度との関連を検討した。UACRは、尿中C-メガリン排泄量と直線的に関連していた(UACR100 mg/gCrあたり;11.8 fM/gCr[95% CI 8.9-14.7])。eGFRの低下と尿中C-メガリン排泄量の増加との間に関連はなかった。UACRは、尿中C-メガリン濃度(UACR100mg/gCrあたり、7.7fM/L[95%CI 5.8-9.6])とも直線的に相関していた。eGFR値が60 mL/min/1.73 m2を超えると、eGFRと尿中C-メガリン濃度は逆相関の線形関係にあった(10 mL/min/1.73 m2低下あたり、7.7 fM/L [95% CI 0.2-15.1])。尿中C-メガリン排泄量および濃度は、糖尿病性腎臓病の早期変化を検出するための有用なバイオマーカーとなる可能性がある。
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