研究課題
本研究では漢方教育における①ミニマムスタンダードの講義、②hands on 漢方実習、③漢方臨床推論、④診療参加型漢方実習、以上を効率的かつ効果的に行える漢方教育プログラムを開発、実践し教育効果を明らかにすることを目的としている。①講義:ミニマムスタンダード講義用のモデルスライド、講義ガイド、評価用問題を作成し、実際に教育実践した。また、第71回日本東洋医学会学術総会(以下、総会)で同様のコンテンツを用いて全国の医学生、教育者、学会員を対象に模擬講義を行い、2482回の視聴があった。これによりFaculty Developmentとしての活用も行うことができた。②漢方実習:医学部5年生の臨床実習において、漢方に配属される8時間のうち3時間を使用し漢方の診察方法である望診、聞診、問診、切診をhands on形式で実習を行った。特に腹診では腹診シミュレータによる教育も行った。漢方薬の煎じ実習や鍼灸体験実習も行い学生参加型実習の工夫を取り入れた。意識調査として実習前後で漢方に対するアンケートを実施した。③臨床推論:②に引き続き症例を提示しながら、漢方診察により得られた情報を漢方的に判断し、診断し、治療に結びつけるかを学生同士で議論し漢方の考えを深めるテーブルワークを行った。④診療参加型漢方実習:②、③に引き続き、3時間をかけてグループで協働し、指導医の監督下で新患の漢方医療面接、漢方診察、漢方臨床推論、カルテ記載を行い、診療参加型漢方実習を実践した。実習最終日に症例検討と振り返りを行い、学生へのフィードバックを行った。2021年度は、総会における全国共通講義の実績を上げることができた。また、本学における教育実践も進め、得られたアンケート結果の解析を進めた。本年度は、漢方医学教育に関する3論文(和文2、英文1)が投稿受理され、総会では7つの教育企画を運営、実施することができた。
2: おおむね順調に進展している
予定通り進捗している。
カリキュラムとコンテンツの作成、実際に運用できることを確認したことから、今後は教育実践を継続しつつ、教育効果の検証のため、結果の統計解析と学会発表、論文作成を進める。
COVID-19の影響により、国内および海外の学会参加が制限されたため。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件)
日本東洋医学雑誌
巻: in press ページ: in press
BMC Medical Education
巻: 22 ページ: 1-8
10.1186/s12909-022-03264-3