研究課題/領域番号 |
19K10506
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
上野 治香 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (40740668)
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研究分担者 |
木内 貴弘 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (10260481)
高山 智子 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策情報センター, 部長 (20362957)
石川 ひろの 帝京大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40384846)
加藤 美生 帝京大学, 公私立大学の部局等, 助教 (70769984)
奥原 剛 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70770030)
小池 宏子 (岡田宏子) 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (30849352)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 外来経口抗がん剤 / 副作用 / 患者-医療者間コミュニケーション / 情報共有 |
研究実績の概要 |
近年高齢化に伴い、がん患者が増加しており、経口抗がん剤での薬物治療中の外来患者も増えている。最近は、侵襲性の高い抗がん剤使用における検査値の悪化の見落としや投与日数制限の確認エラーによる連続投与により患者が死亡するという事例も起こっている。 本研究では、患者側に焦点をあてた患者-医療者間の情報共有におけるコミュニケーションに着目し、①患者側の薬物療法や情報共有の必要性ついての理解や考え、医療者側への報告などの患者側の意識や実施状況の実態および②どのような患者-医療者間コミュニケーションが情報共有促進のために効果的で必要であるのかということを明らかにする。 2019年度は、①先行研究・参考文献の整理、インタビュー調査の実施を目的に、海外、日本でのメディケーションエラーに関する事例とその対処方法等について、先行研究の文献レビューを行い、特に、薬物療法の外来経口抗がん剤患者の情報共有における患者側の意識や実施状況の実態について着目し、患者―医療者間において実施されているコミュニケーションについての知見を整理した。今までの先行研究では、上記の具体的な内容について、施設側の実施状況や注意点については散見できたが、患者側の意識についての知見が多くはないことが明らかになり、その点を明らかにした対策が必要などの課題が浮かび上がった。 そのため、上記の先行研究の文献を整理していく中で、薬物治療の情報共有における患者側の理解・意識、実施・参加を向上させるコミュニケーションには何が必要かという点を整理し、研究内容の見直しを含めて、フィールド選定やインタビューガイド作成や質問紙調査に向けて検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2019年度は、①先行研究・参考文献の整理、インタビュー調査の実施を目的に、海外、日本でのメディケーションエラーに関する事例とその対処方法等について、先行研究の文献レビューを行うことが中心となり、その中で、施設側の実施状況や注意点については散見できたが、患者側の意識についての知見が多くはないことが明らかになり、その点を明らかにした対策が必要などの課題が浮かび上がった。 以上のことから、上記の先行研究の文献を整理していく中で、薬物治療の情報共有における患者側の理解・意識、実施・参加を向上させるコミュニケーションには何が必要かという点を整理し、研究内容やフィールド選定、インタビューガイドの見直しが中心となり、インタビューガイド調査の実施までには至らなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、研究調査の倫理審査を受けた後、薬物治療の情報共有における患者側の理解・意識、実施・参加を向上させるコミュニケーションには何が必要かについて、外来経口抗がん剤患者とその医療者へのインタビュー調査を実施する。その分析結果を参考に、調査票を作成し質問紙調査を実施することを計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 2019年度に予定していたインタビュー調査の実施に至らず、主に旅費、人件費・謝金等の残金が生じた。
(使用計画)2020年度予算の研究費使用計画として、上記理由のインタビューの実施とその分析における、物品費、旅費、人件費・謝金に加えて 、分析後の調査票作成と調査票を使用した調査における実施費用として、用紙、印刷費、郵送費、調査票作成費用、データ入力作業や、研究を進める上での研究会議、学会発表、資料・データ収集のための学会・シンポジウム等の参加における旅費(交通費、宿泊費)、参加費 、必要経費、成果物として論文作成におけるネイティブチェックや投稿費用の使用を予定している
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