研究課題/領域番号 |
19K10510
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
齋藤 信也 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (10335599)
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研究分担者 |
下妻 晃二郎 立命館大学, 生命科学部, 教授 (00248254)
白岩 健 国立保健医療科学院, その他部局等, 主任研究官 (20583090)
児玉 聡 京都大学, 文学研究科, 准教授 (80372366)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ダブルエージェント |
研究実績の概要 |
患者のQOLを医療資源配分の基礎とすべきという考え方について、ここまでの研究成果を整理したものを発表する機会を得た(QOL/PRO研究会学術集会(2020年12月)「QOLに関する倫理問題」)。医師が患者のエージェントであるという立場に立てば、そもそも患者のQOLを測定し、比較するという思考法自体が、批判の対象になる一方で、希少な医療資源を公正に分配するには、医師もそうしたQOLの側面を受け入れなければならないということが医師の間で共有されるようになっていることが明らかとなった。このようにQOLという汎用性の高い概念を鍵に、医師のダブルエージェント性を明確化することの可能性が確認されたことで、今後のフォーカスグループディスカッションの進め方に方向性が示されたものと考えられる。 来年度は、期間内に、「『医師』=Double agent」論が、我が国でどのような現象として現れているのかを明らかにし、それを医療倫理的観点から整理するとともに、医師のDouble agent性に、医療システムがいかなる影響を与えているのかを明確にする」目的を果たせるようにしてゆく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍により、対面での調査がほぼ不可能となっていることが最大の理由である。 これは、対面をオンラインに置き換えれば代替可能という問題ではなく、研究協力を依頼すべき医師が、研究に協力している状況にないということがネックとなっている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に行う予定であった本調査の前提となる医師を対象としたフォーカスグループディスカッションを、オンライン形式にして、早急に行い、その結果を基に、次年度の前半に、医師に対する本調査を行う予定である。場合によっては、現役医師にこだわらずリクルートを行わざるを得ない場合もあると考えている。 遅れはほぼ1年であり、最終年度にこれを取り戻すべく、鋭意研究の速度を加速していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により、予定していた全国の医師調査費用が執行できなかったため、次年度使用額が生じた。 使用計画としては、次年度に実施予定の当該調査費用に充当する。
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