研究課題/領域番号 |
19K10515
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
笹島 浩泰 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80196188)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | インフォームドコンセント / 病態説明漫画 / 髄膜腫 / 蝶形骨縁髄膜腫 |
研究実績の概要 |
1)病態説明用漫画「髄膜腫」の資料収集、漫画の草案作成(研究代表者) 原発性脳腫瘍では良性腫瘍の髄膜腫が最も多く、近年の脳ドック等検診制度の発展に伴い、髄膜腫はその診断頻度が年々増加している。治療においては、経過観察や手術摘出、定位放射線単独治療、手術単独治療、手術摘出に加えて定位放射線治療、等の治療選択があり、病変の局在による治療選択の相違と相まって、患者側が病態を理解した上での治療選択には困難を伴う場合が多い。そこで、複雑かつ高度な最先端の医療を提供しながら「医療者側と患者側の溝」を解消し、医療の質の向上を図る目的で病態説明漫画「髄膜腫 -蝶形骨縁髄膜腫を中心に-」を作成することとし、当方で施行している最先端治療が画像や手術動画を収集して確認した。 2)「髄膜腫 -蝶形骨縁髄膜腫を中心に-」の病態説明漫画作成(研究代表者、作画担当者) 蝶形骨縁髄膜腫、とりわけ、治療難度の高い前床突起部髄膜腫の実際の治療を、架空患者を設定して焦点を当て、初発症状、診断、術前腫瘍塞栓術、頭蓋底手技を駆使した腫瘍摘出術、定位放射線治療を組み合わせた最先端の集学的治療について、画像や手術動画を基に作画担当者(研究協力者)である京都精華大学事業推進室担当者に解説した。月1-2回の割合で合同会議を重ね、最終的に病態説明漫画が作成した。 3) 印刷・製本 表紙・背表紙および巻頭言、まとめを作成後に校正を重ね、外部業者に委託して製本し、B5版、全36ページの病態説明用マンガ)「髄膜腫 -蝶形骨縁髄膜腫を中心に-」2000部が年度内に完成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画では、初年度に「脳梗塞」の病態説明漫画を作成し、2年目に「髄膜腫」を作成する予定であった。しかしながら、現在、脳塞栓症における血管内治療である超急性期血栓溶解術が急激に進歩して普及しつつあり、急性期脳梗塞の治療選択は劇的に変化しつつある。そこで、集学的治療が確立されつつある「髄膜腫」の病態説明漫画を初年度に作成することとした。 作画担当者と月1-2回の合同会議を予定通り開催し、一側視力障害で発症した一人の主人公を設定したストーリーを練り上げ、「ネーム」、「ペン入れ」を経て「髄膜腫」の病態説明漫画を予定予算内かつ予定期間内(2019年度内)で完成させることが出来た。 「脳梗塞」については、昨年度で脳塞栓症における血管内治療である超急性期血栓溶解術が定着した感があり、2020年度で「脳梗塞」の病態説明用漫画を作成すれば、研究予定に何の問題もない。 以上から、本研究は順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
1) 病態説明漫画「脳梗塞」における資料収集、漫画の草案作成(研究代表者) 京都府立医科大学脳神経外科を受診した急性期脳梗塞患者において、患者モデルと家族や医療機関の登場人物を想定し、患者の生活背景から病態の発症様式、実際の検査、手術から術後、リハビリテーション、退院までの一連のストーリーの草案を作成する。実際の検査画像、診察室および検査風景、手術風景、術後病室での患者状況等の画像撮影を行い、漫画作成に必要な風景資料を収集する。脳梗塞に対する診断や治療の歴史的変遷、先端医療技術として血管内手術やバイバス手術、術中モニタリング等の解説も作成する。 2) 合同会議(研究代表者、作画担当者と印刷・製本(外部業者委託) 作画担当者と合同会議を開催する。漫画作成に必要な資料を提示・解説し、1-2回/月の割合で合同会議を重ね、漫画を完成させる。表紙・背表紙および巻頭言、まとめを作成後、外部業者に委託して2021年度末までに2000部製本する。 3) 病態説明用漫画「髄膜腫」の臨床応用開始(研究代表者) 病態説明用漫画「髄膜腫 -蝶形骨縁髄膜腫を中心に-」の臨床応用およびアンケート調査を開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
プリンタおよびコンピュータアプライや文房具に関して、既存の物品を使用したため、次年度使用額が生じました。次年度では予定通り、プリンタを購入予定です。
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