研究課題/領域番号 |
19K10515
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
笹島 浩泰 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80196188)
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研究分担者 |
荻田 庄吾 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (20871164)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 髄膜腫 / 脳梗塞 / マンガ / 病態説明 |
研究実績の概要 |
脳梗塞の原因には一過性脳虚血発作や頸部内頸動脈狭窄症、脳動脈硬化による頭蓋内血管狭窄症、心房細動など多岐に渡る原因が含まれ、治療においては、抗血小板療法、抗凝固療法、選択的脳血栓溶解術、頸部内頸動脈ステント留置術、頸部内頸動脈血栓内膜剥離術、頭蓋外内血管吻合術、外減圧術など病態に応じた積極的治療が急性期や亜急性期さらに慢性期に目的に応じて選択される。とりわけ、選択的脳血栓溶解術は脳虚血発作発症後数時間以内に治療を開始する必要があり、これらの病態や治療を動揺する家族に短時間で説明して治療選択に同意を得るのは困難な作業であり、臨床現場での喫緊の課題である。 京都府立医科大学脳神経外科を受診した急性期脳梗塞患者において、患者モデルと家族や医療機関の登場人物を想定し、患者の生活背景から病態の発症様式、実際の検査、手術から術後、リハビリテーション、退院までの一連のストーリーを作成し、実際の検査画像、診察室および検査風景、手術風景、術後病室での患者状況等の画像撮影を行い、漫画作成に必要な風景資料を収集した。研究協力者である京都精華大学マンガ学部の作画者と合同会議を開催し、漫画作成に必要な資料を提示して、2-4回/月の割合で合同会議を重ね、漫画を完成させた。 表紙・背表紙および巻頭言を作成後、巻末に脳梗塞急性期治療の解説を加え、外部業者に委託して、現在、製本中である。 令和元年度に作成・完成した「髄膜腫」の臨床応用に関しては、新型コロナウイルス感染症の蔓延による外来業務の縮小や、不急手術の延期等による影響のため、予定より進行が遅れている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「髄膜腫」および「脳梗塞」の病態説明用マンガは、作画者との合同会議をWEBに切り替えて施行するなどして予定どおり完成することができた。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の蔓延によって、救急患者の受け入れ削減や、外来業務の縮小、不急手術の延長等が行われており、完成した病態説明用マンガの臨床応用は、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
ワクチン接種者の増加に伴って、新型コロナウイルス感染症も徐々に収束するものと予想され、所属する特定機能病院としての機能も徐々に回復するものと想定される。急性期脳梗塞に対する救急医療、および、不急とされてしまう良性腫瘍の髄膜腫の手術が再開されるのを待って、これらの病態説明用マンガの臨床応用を再開し、アンケート調査の解析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
「脳梗塞」の漫画原稿が令和3年3月に完成したが、新型コロナウイルス感染症の蔓延によって製本作業に遅滞が生じ、令和3年5月に納品予定であり、製本代金の支払いが納品後であるため次年度使用額が生じた。
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