研究課題/領域番号 |
19K10521
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
戸田 春男 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (10217507)
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研究分担者 |
谷 佳子 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (10796064) [辞退]
生方 北斗 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 助手 (50795127)
木下 直彦 新潟医療福祉大学, 医療経営管理学部, 講師 (50734232)
森田 邦恵 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (90396440)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 心拍変動 / ストレス |
研究実績の概要 |
初年度は以下を行なった A. 記録系の設定:1) ゴールドマン視野計検査実習用の学生アンケート(機械学習の効率を向上させるため、単純なルーブリックをとりやめ、Visual Analog Scale法による評価に切り替えた)の作成、2) 最大8名からの心電図を同時記録するシステム(電池式小型制定増幅器の設計・発注・納品、入力箱、ケーブル類、ADコンバータ、コンピュータ、データ収録ソフトウェア)の構築と実走テスト、3) 血液生化学分析試薬の選定と準備、4) 記録に用いる実習室内の学生配置の検討、5) 記録実験(学生実習)のスケジュールの作成。 B. 実測(途中で中断):上記設定後、被験者(検者役)・被検者(患者役)・採血担当者の学生志願者を募集し、ゴールドマン視野計実習の記録実験を開始した。当初の計画では一年生を被験者(検者役)とする予定だったが、ゴールドマン視野計検査への理解がある程度進んだ被験者の方がストレスの評価には好ましいという見地から、被験者(検者役)は本学視機能科学科の三年生から募ることにした。現在までに17名の心電図記録および採血を行った。現在、この17名の心電図検査のデータ解析(音声記録からの検査進行タイミングとのすり合わせを含む)、アンケートの基礎的な集計、事後の聞き取り調査までを終えた段階である。 C. 予備実験の結果解析:心電図記録システムのテストの際、複数の接地条件でElectrooculogramを記録した。接地条件によるノイズの混入の程度の変化を目下解析してる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19対策の緊急事態宣言後、学生および教員が大学に通学・通勤できなくなった。そのため予定数に達する前に記録実験(ゴールドマン視野計検査の学生実習)が中断した。
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今後の研究の推進方策 |
まずここまでに記録した心電図、アンケート、事後聞き取りデータの検討を進める。COVID-19収束の目処がつき、臨床技術学科の学生の登校が許可され次第、分離後冷凍保存してある被験者の血漿を用いた生化学分析を行う。この段階で記録した17名のデータが出揃うので、学生のストレスを引き起こすタイミングおよび要因について、当面の結論を得る。可能ならばここで最初の論文化を行う。
学生実習が全面的に行えるようになったら、これまでに記録できなかった被験者に対する記録実験を再開する。データが揃い次第、ストレスの原因となる要素を特定し、それに対する教育的な方策を考えるとともに、アンケートの結果と生物学的なストレス反応を組み合わせたデータを用いて機械学習を行わせ、実習生のタイプによる苦手部分の違いがあるか検討する。
計画のスケジュールはCOVID-19流行状況次第ではあるものの、本学の立地する地域は緊急事態宣言が解除される見通しなので、来年度の初めには上記目標が達成でき、苦手部分の予測が可能な段階に達することができると期待している。
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次年度使用額が生じた理由 |
別予算でプロトタイプを開発・作成したため、生体増幅器の単価が抑えられたうえ、発注台数が一台減った。加えて実験開始後COVID-19対策で学生が登校禁止になってしまい、謝金の支払いが遅れている。また同様の理由で記録実験が不可能な事態が発生しており、試薬の発注が遅れている。登校禁止が解除されたのち、謝金を支払い、中断していた実験を再開し、遅れを取り戻す予定である。
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備考 |
相原有那ほか「実習室内の複数被験者から心電図を同時記録する手法の検討」(2019年度新潟医療福祉大学医療技術学部視機能科学科卒業論文集p.5-8)
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