研究課題/領域番号 |
19K10521
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
戸田 春男 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (10217507)
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研究分担者 |
谷 佳子 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (10796064) [辞退]
生方 北斗 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (50795127)
木下 直彦 新潟医療福祉大学, 医療経営管理学部, 准教授 (50734232)
森田 邦恵 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (90396440)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 眼科検査 / ストレス / 学生実習 / 心拍変動 / コルチゾール |
研究実績の概要 |
45名の視能訓練士学生被験者からのべ46回の記録実験を行なった。通常は同級生と行うゴールドマン視野計検査実習(以下、検査実習)を、他学科(ないし同学科の他学年)の患者役に対して行い、その際のストレス関連物質の変化および心電図を記録した。また検査実習前後にアンケートを回収した。この検査では、検者ははじめに患者(役)に対して検査手順を説明する必要があり、検査中も常に患者(役)とのコミュニケーションを保って行わなければならず、学生からは「難しい検査だ」と言われている。 唾液ないし血漿中に存在するストレス関連物質(唾液アミラーゼ、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、コルチゾール、ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリン)を検査実習前後で比較したところ、検査実習後に有意に増加したものはなく、むしろACTHは有意な低下を見せた。このACTHの分泌低下はコルチゾールの増加に伴うフィードバック制御の結果とは思われなかった。この想定外の結果を解釈するために、検査実習中の交感神経活動を心拍変動(RR間隔、LF/HF比)を用いて解析したところ、検査開始直後に最も大きな値を示し、検査が進むにつれ有意に低下していた。 これらの結果は、検者として見知らぬ患者役に相対することが学生にとって最もストレスフルであり、一旦繰り返し練習した検査手技が始まってしまえば、む しろ学生のストレスが減弱していくと考えると矛盾なく説明できる。検査前のコルチゾール値と事前にアンケートで調査した検査全般への自信との間に有意な正の相関があったこと、アンケートに検査実習が始まった時点での「初めての患者(役)への対応かだった」と いう声が多く寄せられたこともこの解釈を支持する。以上の結果は目下英文誌に投稿準備中である。
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