研究実績の概要 |
最終年度の2022年度には、予定していた現地インタビューをオンライン形式によるものに変更し、量的研究で得られた知見を質的研究による検証を行った。具体的には,欧州日本人医師会の協力のもとで、欧州で働く日本人女性医師,または女性研修医、計10名を対象に研究者3名によるZOOMでの1人あたり1時間程度の聞き取り調査であった。得られた音声データは、テキストデータとして報告書としてまとめ,論文1本,口頭発表2件として公表した。さらに,このデータに対して修正版グラウンデット・セオリーアプローチ(M-GTA)で分析を行い、論文投稿を予定している。本研究の結果,欧州での病院組織の人的資源管理マネジメントの分析枠踏みとして,インテグラル理論の4つの象限に整理できると考えた。すなわち,第1象限として主観的な価値である人生とキャリア,第2象限として人間主観的な文化、第3象限として客観的な収入の職務と報酬,第4象限として,間客観的な社会の法制と雇用であるが、欧州では第1象限が強く制度普及に影響していると考えられる一方で,欧州と労働に関する文化が異なるところが少なくない日本おいては,第4象限からの拡充が適すると提言した。
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