研究課題/領域番号 |
19K10526
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
田畑 雅央 東北大学, 大学病院, 講師 (40621529)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 医療安全 / 医療安全教育 / 医学教育ー卒前 / Early Exposure / プロフェッショナリズム / 医療の質 |
研究実績の概要 |
2020年9月 医学科1年生44人に対して、医療安全に関する基本的な知識の講義と、シミュレーターを使用した模擬採血の実習を行った。実習後、危険予知トレーニング(KYT)を行い、採血に伴う危険を振り返り、それに対する未然防止について検討してもらった。今年度はコロナ禍のため、一回の人数を例年の半数にしたが、その分参加型の演習を増やす等の配慮を行った。参加者への調査では例年以上に評価は高く、医療事故防止や、生涯学習の重要性等にも思いいいたっていた。 2021年1月 医学科2年生11人に対して、PBLチュートリアル形式で演習を行った。全面的にオンラインで行ったが、例年通り医療事故の原因についてKJ法にてまとめた後、横浜市立大学附属病院患者取り違え、都立広尾病院消毒薬誤注入、鳴門病院筋弛緩薬誤投与についてグループで事故の経緯、その要因と対策、社会に与えた影響、そして自分たちならどのようにするかを検討してもらい、発表してもらった。これらからヒューマンエラーの環境的な要因や人的要因に対して理解を深めてもらった。また社会への説明責任や透明性の重要さにも気づいてもらった。 2020年2月には医学科・看護科1年生約200名に対して、横浜市立大学医学部附属病院患者取り違えを題材にグループワーク形式の演習を行った。オンライン開催であることと、昨年度の反省から事例3つのうち1つを各グループに割り当て、また全グループが発表できるようにした。この形式は昨年度より評価が高かった。学生達は医療の複雑性、や倫理性、ヒューマンファクターズ等の問題について気づきを得ていた。 当初海外学会参加を予定していたが、コロナ禍で中止となった。そのため国内でオンライン開催された学会やセミナー等から医療安全教育の有効性等について情報収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の影響で対面での実習がほとんど不可能であった。オンライン形式に変えたためこれまでの内容を見直さざるをえなくなった。
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今後の研究の推進方策 |
オンライン形式の評価等を再検討し、これまでの教育方法についてフィードバックを得るとともに対面以外の方法での調査を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額は研究にあたり既存の設備等を使用し効率的に行ったことと、COVID-19の影響で行う予定の事業が実施できなかったこと、学会開催が中止となった等の理由のため生じた。今後オンライン等で事業を行うとともに、研究データの整理や文献検索、発表に使用する予定である。
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