研究課題/領域番号 |
19K10527
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
高屋敷 明由美 筑波大学, 医学医療系, 講師 (80375500)
|
研究分担者 |
前野 哲博 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40299227)
春田 淳志 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (70758911) [辞退]
前野 貴美 筑波大学, 医学医療系, 講師 (80528480)
小曽根 早知子 筑波大学, 医学医療系, 講師 (80645549)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 健康の社会的決定要因 / 地域医療教育 / 行動科学 |
研究実績の概要 |
2019年度に実施した5年次必修地域医療実習(4週間)における健康の社会的決定要因に関するプログラムの履修生のうち協力を得られた者17名、および担当教員7名のインタビューのテキストを解析した。テーマ分析を行い、得られた結果を第52回日本医学教育学会大会で発表(web開催)した。 それ以前の同実習の実習生のレポート全員分を本実習における学生の学びの深さについて解析した論文"Students' understanding of social determinants of health in a community-based curriculum: a general inductive approach for qualitative data analysis"を投稿し、BMC Med Educに掲載された。 2020年4月5月はコロナウイルス感染拡大のため、同実習が現地実習が見合わせとなり、新たにオンラインプログラムを開発した。その経験および上記解析結果を踏まえて、2020年度10月からの次の学年の同プログラムを改善して適用した(学生へのオリエンテーションの講義における動画の活用・学生向けインストラクションの改定、レポート評価ルーブリックの改定、最終日発表会を担当する教員むけのインストラクションを改定など)。更に、その改定の効果についての毎月のプログラム発表会ごとに担当教員間で振り返りを実施し、その都度発表会のファシリテーターマニュアルに反映させて改変を続けた。 また、本プログラムの前段階に位置づけられる健康の社会的決定要因について幼少期について学ぶ1日のプログラムを、本学4年次の選択必修のアドバンストコースの中で、新規開講してプログラムを開発した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本領域の先駆的な取り組みを行っている海外の教育現場の視察およびそれに参考にして本プログラムの改善を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大のため視察を実施できなかった。そのため、国内の他組織からの共有事項とこの研究で実施したレポート分析およびインタビュー分析結果に基づく改変を行っている。 また、本分野の教育の現状について全国医学部調査を実施する予定であったが、類似テーマで別の組織が調査をしていることが2019年末にわかった。その成果発表を待ち、本研究におけるねらいを再検討して全国調査を延期して再度企てることにした。
|
今後の研究の推進方策 |
2020年度に日本医学教育学会にて発表した成果について論文を執筆し、投稿する。 2021年度は更に改善した健康の社会的決定要因のプログラムの履修生および担当教員らに対し、2019年度に実施したインタビューの解析結果に基づき作成したインタビューフローに基づき、さらなるインタビュー調査を実施する。 延期となっていた健康の社会的決定要因に関する卒前教育プログラムに関する全国医学部の実施状況の調査を計画する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究の進行が遅れた理由に記したとおり、2020年度に予定していたこの分野の取り組みに関する海外の先行教育事例の視察について、新型コロナウイルス感染拡大の影響により実施できなかった。次年度も現地訪問が難しい場合には、計画を文献調査とオンラインによる情報交換を行う方針とする。 現地開催で参加予定であった国内学会(日本プライマリ・ケア連合学会:広島、日本医学教育学会:鹿児島)がオンライン開催になったため、旅費が不要となり次年度研究費に繰り越した。また、他組織の調査と実施時期と内容がかぶっていたたま実施を見合わせた健康の社会的決定要因の卒前教育プログラム調査については、予算を繰り越して2021年度以降に実施できるように準備を進める。
|